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無塩食講座第24講 


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無塩食講座 第24講 2012711日アップ 

「ウイルスは恐くない」から転載(転載原稿は今回で最後です)

 

1.Oさんの話

 これからお話するのは、私自身の体験ではなく断食・半断食指導における受講者の事例です。30年程前、6年間在職した森下先生の自然医学会を退職して、東京府中の断食道場で水断食の指導を始めました。ヨガ道場で学んだように、断食中も出来るだけ運動していましたが、昔の水断食のシステムでした。

Oさんは六十歳位で、背が高く痩せ型で、玄米食もしていて断食についてもよく理解していました。2日間ほど型通りの減食をして、断食を1週間位やりました。特別の反応もなく、多少だるい程度で、軽い散歩や体操もしていたのです。

 断食が終わって復食に入り、しばらくしてから、時々お腹が痛いと訴えましたが、さほど強い痛みではなく、本人も私もあまり気にしていませんでした。このOさんが、食べれば美味しく食べられるが、特に強い食欲は出ませんでした(普通は、復食時に猛烈な食欲が出てきて過食になりやすい)。

 一定の復食を終え、予定通り帰宅したのですが、その後、腹痛がひどくなってきたのです。東京の人でしたので、夜とか昼の休憩時間を利用して、私は車で飛んで行きました。お腹を温める治療をすると、少し楽になりました。

 そのうち、黒い便が大量に出始めたのです。始めは、Oさん自身も、電話でその話を聞いた私も、宿便が出て来たと、喜んでいました。宿便が出る時に、腹痛を伴うことがあるからです。

 ところが、それは宿便ではなかったのです。胃腸から出血した血が黒くなって出ていたのです。どんどん貧血になり、最後に、救急車で入院した時は手遅れでした。道場を退所してからまだ1ヶ月たっていなかったのです。その間、私は34Oさん宅へ行き、また、電話で話していました。お通夜の時、Oさんの奥さんが私に言いました。

 「救急車で入院した時、主人が、國清さんも色々勉強になったろうな、と申しておりました。」

 もし、腹痛の原因、内容を正確に把握して、適切な手を打っていたら、Oさんは死ななかったのです。もっと早く入院したら、助かったろうと思います。根本的な考え方において、私は現代医学を否定しております。しかし、現実には、現代医学で死にかかった人を、助けることが出来るのも事実です。

 その後今日まで、私は何度か救急車を呼び、お医者さんのお世話になる事態を体験することになります。

 とにかく、Oさんの死は、私にとっては、ショックでした。私が指導した断食が、大きな原因になって、亡くなったのです。Oさんが昔胃潰瘍をやったことがあるということが、後でわかりましたが、そんなことは問題ではないのです。

 それまで色々感じていた、断食に対する疑問、不安がはっきりとOさんの死によって、自覚されてきました。しかし、疑問はあっても、何が間違っているかわかりませんでした。

 いずれにしても、今のままではダメだ、もっと勉強しなくてはならない、自分の指導に疑問を持ちながら、場合によっては死に結びつくかもしれない断食指導など、やっていられない、そんな気持ちでした。その後、大森先生に出会って、過去の水断食の問題点などさまざまな疑問が解けてきました。そして、半断食を始めることになったのです。

 

2.Bさんの話

これも、横浜での半断食道場のお話です。

今回お話する腎臓病の人は、30歳代前半の男性で、慢性腎炎になって16年間苦しんできた人でした。お医者さんは、時間の問題で透析するしかないとの診断でした。胃腸も弱く、やせて青白い顔色で、貧血がちでした。

 半断食といっても、体力のない人、貧血がちの人の場合は、普通の量を食べています。彼の場合も、12食で、腎臓病の治療食を出していたのです。まだ寒い時期で、居間にコタツを出して食事をしていました。通常は、23人の受講者でしたから、皆でコタツで食べていたのですが、彼は食後すぐに眠くなって、コタツでそのまま寝るのが常でした。元気な人は、日中散歩に行ったり、体操したりするのですが、彼は殆ど、食べて、寝て、の繰り返しで、1週間位たった時に、舌苔(ゼッタイ)が黒く出てきたのです。舌を見ると真っ黒になってきました。これは、胃や腸の症状を現しているのですが、黒い舌苔というのは、私もその時が初めてでした。過去5000人の人に断食、半断食の指導をしてきましたが、黒い舌苔が出たのは5人だけです。

 殆んど寝ていて、運動しないこともあり、便がまったく出ません。結局20日間、出ませんでした。玄米と野菜での便秘は、最高20日まで怖くないと、大森先生から聞いていましたが、20日間便秘したのは、私の体験ではこの方1人です。

 お腹に生姜シップと里芋パスターをはって腸の蠕動運動を促すと、少しずつ宿便が出てきました。便が出る度に、黒い舌苔が少しずつ薄くなり、だんだんとれてきたのです。やがてきれいなピンク色の舌となり、道場に来て1ヵ月後には、体力が出てきて、毎日散歩に行くようになりました。朝はまだ寒い季節だったので、日中の天気の良い時は、2時間くらい、横浜の町を散歩していたのです。そんなある日の夜中2時頃に、突然電話で呼ばれて行ってみると、彼が高熱を出して、うなっていました。急いで第一大根湯(解熱効果がある)をドンブリ1杯飲ませて、さらに朝方もまたドンブリ1杯飲んで、やっと熱は下がりました。なぜ急に発熱したのか不思議でしたが、本人に色々聞いて、原因がわかったのです。日中散歩していて、お祭りがあり、つい屋台で焼き鳥を1本食べたということでした。その肉の反応で、熱が出たのです(夜中の発熱は陽性な症状)。原因が納得できたので、安心していました。ところが、それから1週間ほど後に、今度は突然両目が真っ赤になっていたのです。聞いてみると、散歩中に自然食のお店で甘いお菓子を買って食べたということでした(陰性な砂糖で充血した)。なんといっても、1ヵ月の玄米菜食で、かなりの宿便が出て、胃腸も血液もきれいになっているのですから、1口の邪食で反応が出るのです(悪いものを食べてすぐに反応が出るのが正常。何を食べても反応しないのは麻痺状態)。本人もビックリして反省し、今後一切買い食いしないと言っていましたが、私はお金を預かって、必要な時だけ渡すようにしたのです。

しかし、また1週間後くらいから、両下肢が少しずつむくんできたのです。最初は、陽性な反応と思っていたのですが、むくみが1日1日進行していき、2週間後には顔も腫れあがってきて、最後はお腹から胸まで水が溜まってきたのです。その時は、尿がほんの少ししか出なくなっていて、普通に歩くことが出来なくなり、トイレにも這って行く状態となってしまいました。その間、むくみをとるため、また利尿のため、大森先生の指導を受けながらあらゆる手を尽くしてみましたが、まったく効果がでませんでした。

 なぜこんなことになるのか、排毒反応としては、納得がいかなかったのですが、本人は外で何も食べていないとのことでした。何度か聞きましたが、道場の食事以外は食べていないとのことです。お金も預かっていましたから買い食いは出来ないと思いながらも、急激な症状の原因がどうしてもわかりませんでした。いずれにしろ尿が出ませんし、むくみが全身に及んできて呼吸も苦しく、意識も正常ではなくなってきました。やむを得ず、彼の奥さんに電話をして、すぐに来てもらったのです。家を出る時はやせていたご主人が、パンパンにむくんでいるのを見て、奥さんもビックリしていました。それまで本人からの電話連絡では、だんだん元気が出てきた、体調も良い、毎日散歩に行っている、と良い報告しか聞いていなかったのです。私は本人と奥さんに了解してもらって、知り合いの自然医学関係のお医者さんの病院へ連れて行きました。すぐに透析ということになり、大学病院を手配していただきました。

 あと1日遅かったら、手遅れという状況でした。透析後、1週間くらいたって、本人の意識も正常になってから、詳しく聞いてわかったことですが、外で食べていたのは、大豆の炒り豆でした。横浜の道場は、横浜駅から15分くらいのところにありました。横浜駅前のデパートの地下食料品売り場には、ただで食べられる試食品がいろいろあったのです。

 焼き鳥1本で高熱が出た、また甘いもの1口で眼が真っ赤に充血した体験から、植物性の大豆なら大丈夫と思ったわけです。砂糖のついていない大豆を炒った豆だったようです。これを毎日、散歩に行くたびに、チョッとずつ食べていたとのことでした。しかし、炒った大豆をいくらよく噛んでも、殆ど消化できません。その未分解の大豆蛋白が、だんだん腎臓の糸球体に目詰まりしていって、尿が出なくなってきたのです。植物性のものでも、蛋白質の分解は難しいのです。ですから、日本では、味噌、醤油、豆腐、納豆にして大豆蛋白をとってきたのです。炒ってカチカチの豆を、そのまま食べたら、なかなか分解できるものではありません。ヨーロッパでも、ナッツ類の食べすぎで、腎臓を悪化させている自然食者が多いのですが、ペースト状になっていても、その分解は難しいと思います(日本ではゴマあえなど、分解のための野菜と一緒にしている)。

 さて、約2ヶ月間、大学病院で透析を続けて彼は田舎に帰りましたが、この紙面では書ききれないことがいろいろありました。

このBさんの体験がそれまでの私の基本的方向を変えさせてくれたのです。私はそれまで、病気を治そう、病人を治そうと思っていたのです。しかし、これは傲慢な考えでした。人の病気を治すことなど出来ない、出来ることはささやかなお手伝いであり、自分の信じる道をお勧めするだけだということに気がついたのです。

 横浜駅近くのこのマンションでの半断食道場は、わずか1年半の期間でやめることになりました。現代医学では治らない重症の人が、何人も来たのです。当時の私は、軽い病人では面白くない、どこへ行っても治らない重病人を治そうなどと思っていたのです。Bさんの件は、その考えが根本的に間違っていたことを気づかせてくれました。

 そして、色々な症状、反応が出た時に、何を食べ、何を飲んだらよいか、それは考えてもわからないということがわかってきました。

1年半の横浜での体験が、その後の私の方向を転換させてくれました。

 

 以上、私自身の体験及び指導体験から、具体的な事例をお話させていただきましたが、その目的は食べもの、飲みものが、身体に与える影響がいかに大きいかを理解していただきたいからです。健康な人が、日常普通に食べていても実感できないことが、断食、半断食の際にはわかりやすいのです。

 実感がないから問題がないわけではありません。「低温やけど」は熱いという実感がないまま、ひどいやけどになってしまいます。正しい食べものとは何か、また正しい食べものでウイルスも分解するということをご理解いただくためには、食べものがいかに私達の体に日々大きな影響を与えているかを知っていただく必要があり、Oさん、Bさんの特異なケースをお話させていただきました。同時に、私がどのような勉強、体験をしてきて、このような本を書かせていただいているかを知っていただく必要があると思ったのです。

 

3.コラム

 舌苔について

 人間の体は、全体として機能しています。部分的異常を全体でカバーして生命を維持しています。また、内部の異常が表面にも現れてくるようになっています。その一つとして、胃や腸の中がどうなっているかは、舌を見ればわかるのです。胃腸が正常な状態であれば、舌の色はきれいなピンク色になっています。ところが、断食、半断食、または玄米食を始めた時などに、舌の色が変化してくることがよくあります。一見すると、舌に苔がはえたようになるので、舌苔(ゼッタイ)と呼ばれています。

 一般的な舌苔の変化としては、まず舌全体が白っぽくなります。これは、胃や腸の内側、粘膜の状況が同じようになっていることを現しています。きれいな赤い血液が循環していれば、同じように舌も赤いわけですから、それが白色になるということは、体内から胃腸の内側に陰性な毒が出てきているということなのです。その白い舌苔がだんだん褐色になり(時にこげ茶色が少し出てくる)、それが濃くなってきます。これは、陽性な毒が出ていることを現しています。

 昔の水断食では、黒い舌苔ということは聞いたことがありませんでしたが大森先生が重病人の場合は舌苔が黒くなるという話をしていて、本当かなあと思っていたのです。ところが、半断食の指導を始めて、本当に舌苔が黒色に出ることがわかりました。舌全体が真っ黒になっているのを最初に見た時は、こんなに真っ黒になるのかと驚きでした。ただし、私の体験では5人だけですから、普通の病気では黒い舌苔が出てくることはまずありません。朝の起床時に少し白色、褐色の舌苔が出ていても、食事をしたり、飲みものを飲んだだけで、その舌苔が薄くなるのが普通です。

 なお、唇の色も胃腸の状態を現しています。赤いきれいな血液が流れていれば、唇もきれいなのです。貧血になると、唇が白っぽくなり、便秘などで腸が汚れてくると、唇もきたなくなってきます。

 

マクガバンレポート ~現代の医学・栄養学は間違っていた!~

30年まえの1977年に、アメリカでマクガバン・レポートが発表されました。マクガバンという上院議員が中心になり、世界中の食物と健康の関係を調べて、食生活の改善を国民に呼びかけたのです。医学が進歩したと言われていますが、現実には、病気と病人は増える一方で、日本も米国も、先進国の医療費は増え続けています。「このままいったら、アメリカは医療費で倒産してしまう」とマクガバンは危機感を募らせ、病気にならないための食物の研究、調査をしたのです(余談ですが、彼はレポート発表後、食肉業者の猛烈な反対運動にあって選挙に落選しましたが、ミスター栄養委員のニックネームを持つパーシー議員が上院に残ってその後も活躍したそうです)。

このレポートは次の文で結ばれています。「先進国の食事は全く不自然でひどい内容になっていた。そのことに誰一人気づかなかった。しかも、こんな内容の食事が、先進国に多いガンも心臓病も糖尿病も生んでいた。われわれは即刻食事の内容を改めねばならない。」

現代の多くの病気が、食事の問題に基づく「食原病」であることを明らかにしたのです。

そして、この結論に基づいて、「将来のアメリカ人の食事目標=ダイエタリー・ゴール」を定めて、とりあえず「脂肪(特に動物性)と砂糖を減らしでんぷん食(未精白)を増やせ!」と警告、具体的には次のような食事改善を呼びかけています。

 

1.  肥満を予防する。

2.  未精白・未加工の穀菜食にする。

3.  白砂糖を減らす。

 4. 脂肪の摂取量を減らす。

 5. 脂肪のとり方は、動物性の脂肪を減らし、植物性の脂肪摂取を増や   す。

 6. コレステロール(動物性脂肪)を減らす。

 7. 塩分を減らす。

 

 ※4~6は、脂肪について述べていますが、要約すると「肉食を減らして自然の穀菜食に切り替えよ」ということです。

  そして、このレポートには、最も理想的な食事は、日本古来の伝統食で  あると書いてあるのです。今、日本食が世界的にブームになっています  が、そのきっかけの一つがこのレポートなのです。日本政府は、上記か  ら「減塩」だけ輸入して、それから減塩運動が始まっています。

 

 マッカリソンの実験

 英国のロバート・マッカリソン医師は、三大長寿国のフンザに長寿者が多いことに着目し、フンザ食の研究発表を行ったことから一躍有名になりました。そして、白ネズミを使って健康と食事の深い関係を明らかにしました。マッカリソンは、白ネズミを3つのグループに分け、それぞれ以下のような三種類の餌を27ヶ月与えて、疾病の有無と健康度を比べました。

 ①「フンザ食」

  フンザの人々が食べている長寿食。

 ②「ベンガル食」

  インドのベンガル地方とマドラス地方の貧しい人々の一般的食事。

③英国貧困階級食

 イギリスの貧しい人々の食事である白パン、マーガリン、砂糖入りティー、茹でた野菜、缶詰肉、安いジャムなど。

 

 そして、これらの餌を与えられたネズミを観察し、病理解剖したところ次のような結果が得られたということです。

  ①「フンザ食」では、まったく病気がなかった。

②「ベンガル食」のネズミは、すべての器官(目、鼻、副鼻腔、耳、心臓 胃、腸、その他全て)に病変が現れ、一部には精神にまで異常が生じた。

③「英国貧困階級食」では、成長不良、神経衰弱、弱者への獰猛製などが観察され、仲間と喧嘩が絶えず、16日目には群れの中の弱いものを殺して食べ始めた。

 

夢の話

 読者の皆様は、カラーの夢を見たことがありますか?昔、大森先生の「夢とは何か」という講義で、「カラーの夢は陽性、白黒は陰性」という話を聞きました。私は子供の頃、毎日のように夢を見ていたのですが、カラーの夢など一度も見たことがありません。ところが、半断食セミナーの参加者に聞いてみると、半分位の人はカラーの夢を見たことがあるのです。

 私は子供の頃、動物性も食べていましたが、それ以上に甘いものが多かったので、体質は陰性なのです(子供の頃から近眼、最近は頭がハゲてきましたが、これも前からハゲる陰性なハゲです。肉食の人は頭頂部からハゲる)。

 大森先生の研究では「夢は血液の汚れだ。本当に健康になると、正夢をみる」とのことです(桜沢先生の本にも、正夢の話が出てきます)。正夢とは未来をみる夢です。私は子供の頃、こわい夢、嫌な夢ばかりみていました。何かに追っかけられて必死に逃げる夢とか、どこかから落ちて「助けて~」と叫ぶ夢などです。火事の夢をみても、赤い火は出てこないのです。全て白黒でした。

 「聖人に夢なし」という言葉がありますが、本当のようです。半断食で陰性な反応(砂糖などの陰性な毒が血液中に出てきた)時には、陰性な夢をみることが多いのです(寂しい、悲しい思いの夢など)。肉などの陽性な反応の時には、おこったり、争ったり、こわい思いをする夢をみるのです。

 

半断食とは~水断食との違い~

 半断食の指導を日本で最初に(大げさに言えば世界で最初に)始めたのは、私だと思います。昔はありませんでしたし、海外にも似たようなシステムはないように思います。半断食という言葉は、私が言い出したものではなく、日本CI発行の月刊誌で(大森先生の講義原稿の中で)、最初に出てきた表現です。私は、この言葉は大森先生が使った表現と思っていたのですが、ある時に大森先生に確認したところ、先生は言っていないとのことでした。 今は確認できませんが、当時の編集者が大森先生の講義内容(貧血など陰性体質の人は、断食より少し食べる方がよい)から、半断食という言葉を使ったと思われます。

 半断食という表現が良いかどうかは疑問があるのですが、もう30年間使っているため、そのままになっています。私以外にも半断食の指導をしている人が、何人かいるようですが、その指導内容は私とは少し違うようです。

 私が指導している半断食と水断食の違いについて、以下要点のみ整理します。

1.目的 

これは同じ。体内の毒素、老廃物を代謝すること。

2.具体的方法

水断食の場合は、数日間の減食、一定期間の断食、復食とシステムが決まっている。半断食の場合は、決まったシステムはない。半分食べるということではない。減食も復食期間もない。普通量食べることもあれば半分のこともあり、一切食べないこともある。目的は体内毒素の大掃除だから、そのためには今流れている血液を浄化する必要があり、そのためにどうしたらよいかということが基本となる。それは個人差が大きい。

3.禁忌症

 水断食の場合は、病気や症状によってはやってはいけないという禁忌症がある。半断食の場合は、その病気、症状に合わせたやり方だから、禁忌症というものは一切ない。

4.反応に対する考え、対処

   水断食の場合は、反応が出ても経過していくのをただ待っている。半 断食においては、積極的に対処する。反応とは、体内の毒素が血液の中 に溶け出してきた時に出てくる症状だから、その毒素を中和する飲みも のを飲んで、代謝を促進させる。反応に合わせて飲みものを変化させて いくのが半断食の大きな特徴である。

5.体力、運動

   水断食では、初期のだるい、眠い、寒いという反応でゴロ寝してしま う。気分が良くなってきても、軽い散歩程度となる。半断食の場合は、 最初から積極的に運動する。1時間~2時間の散歩を進めている。反応 に合わせて飲みものを飲んでいるから、今体内を循環している血液はき れいであり、きれいな血液はスムーズに流れるから、体力は落ちない。

   力があるとか、力がないとか言うが、チカラとは血からであり、血液 が流れているということである。血液の流れが悪化したら、だるくなり さらに流れなくなれば、痺れとなり、麻痺となる。

   従って、半断食で血液がきれいになってくれば、全身をスムーズに流 れているのだから、力(血から)が落ちることはない。実際に体験すると 実感できるが、半断食4,5日目になると、身体が軽くなり、1~3時 間散歩しても疲れることがない(疲れとは、血の汚れ)

 

6.全体的効果

  水断食の場合は、指導者の元でやらないと難しい。特に、復食時の食  欲のコントロールは大変に難しい。復食を失敗すると、逆効果になる。半 断食は、自宅で普通に仕事をしながらでも無理なくできるやり方がある。 特別の復食もないし、異常食欲もない。過食、邪食すれば、マイナスにな るのは、水断食、半断食に限らず、いつも同じである。体内の大掃除とい う点で比較すると、水断食より半断食の方が2倍、3倍の効果がある。

                                              以 上 

 

 

【補講】     50度洗いについて         澤井香日子

 

皆さん、「50度洗い」をご存知ですか?

私も最近知ったのですが、最初は5月13日にテレビで放映されたソロモン流の「タカコ・ナカムラさん」登場の番組がきっかけでした(彼女は人気料理研究家ということなので、ご存知の方もいらっしゃると思います)。番組のメインテーマの塩麹も興味深かったのですが、「50度洗い」も紹介されて、野菜を50度のお湯で洗うと鮮度が増し、あさりは塩がなくても砂出しができるということでした。

その後、行きつけの美容院で女性週刊誌を読んでいたら、50度洗いの特集記事があって、スチーム料理技術研究会の平山一政さんという方が発見した方法だということを知りました。平山さんは料理の研究家ではないそうですが、蒸気の実験をしていて、偶然発見したそうです。

さっそく、私も安売りの時に買いだめして、冷蔵庫で1週間くらい放置していたくたびれレタスで実験してみて、びっくり!!見事にシャキシャキレタスに大変身したのです。私の行なった方法はこうです。①夜、レタスを2等分にして切って、50度のお湯で洗い、温度が下がらないようにして、1分半ほどお湯につけました。②さっとお湯を切って、少しさめたら、ビニル袋にいれて冷蔵庫に入れました。本当はタオルで水分をよく拭き取った方が良いそうですが。③翌日の夜、無塩サラダを作ってみたところ、シャキシャキレタスに大変身をとげており、とても美味しくいただきました。こんなにシャキシャキなのは初めてでした。

さて、なぜこうなるか?只今、アマゾンで平山一政さんの著書「50度洗い」(小学館)を取り寄せ中です(書店ではすでに売り切れ。最近、増刷が決まったそうですが、アマゾンでも中古の方が値段が高いです)。ネットでも調べてみると、いろいろな番組で取り上げられているようでした。解説によると、野菜がしおれるのは、水分を失うから。50度のお湯に入れると、ヒートショックという現象で、葉の表面の気孔が開いて細胞に水分がとりこまれ、みずみずしくなるということです。50度で洗った野菜は通常よりも3日以上は長持ちするそうですし、キュウイなどの果物は30分位つけておくと甘くなり、アボガドは食べ頃になるそうです。トマトも甘くなって、湯むきもできるというから優れ物です。注意点は、43度以下になると、雑菌が繁殖する、ということです。

果物が甘くなるのは、國清先生によると、陰性の酸味に陽性の熱が作用するからだろう、とのことですが、果物は熟すと甘くなるわけですから、結局即効的に熟してしまうわけですね。「無塩食友の会」にはまさに無縁ですが肉や魚も50度で洗うと美味しくなるそうですよ。

私もノリノリで、すぐにトマト、キュウイで試してみて納得。他にも、小松菜やキャベツ、キュウリ、ナスも50度の温泉に入って、只今、冷蔵庫で休んでおられます。

セミナーで使う野菜類も、せっかく無農薬・無肥料の物を用意しても、夏場は痛みやすくて困っていましたが、次のセミナーはこの50度洗いで乗り切れそうです。

皆さんも、ぜひ試してみてください。専用の温度計も販売されているようですが、私は赤ちゃんをお風呂に入れる時に使う温度計をドラッグストアで買い求め、使っています。

 

無塩食が今までの常識を破った画期的な方法なら、この50度洗いもそうではないでしょうか?事実、「50度洗い」は「調理革命」とも言われているそうです。野菜は冷たいお水で洗うのが定番で、お湯で洗うなんてとんでもない、私はそう思い込んで、冬でも冷たい水で我慢して、セミナー用の大量の野菜を洗っていたのです・・・。

「常識」になっていることでも、ちょっと立ち止まって考えてみることが大切なのかな、と思っているところです。

                

                       以下、次号につづく


 
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