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無塩食講座第7講 


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無塩食講座 第7講 2012314日アップ

無塩食で出るのは陽性反応」 

1.拙著「ウイルスは恐くない」を出版したのは、20096月です。この本の原稿は、2008年末に書いていますから、無塩食セミナーを開始してから数ヵ月後のことです。ですから、無塩食については、第二講に掲載した「料理の極意」「塩の問題」など、基本的な仮説の発想しか書いてありません。その頃は、ゲルソン療法についても、詳しくは知らなかったのです。

 

2.「塩の問題」の文中に、2008年夏から塩分を一切とらない穀菜食セミナーを始めたと書いてあります。この本を読んだ女性から、2009年夏ごろ電話をもらいました。正確な表現はわかりませんが、次のような会話です。

女性「先生の本を読んだのですが、ちょっと聞きたいのですが、私は3年間、塩分を一切とっていないんですが、大丈夫でしょうか?」

「えー、3年間一切とっていないって本当ですか?そうめん、うどん、そばにも塩分が少量含まれていますよ。」

女性「はい、わかっています。ですから、うどん、そばを特別注文で、塩分を入れないで作ってもらっています。」

「へえー、そんなことができるんですか?3年間塩分とってない、いやー、わかりませんね」

 

3.仕事柄、会ったことのない人から電話で相談を受けることはよくあります。相手の人が陰性か陽性な人かどうかは、話し方や声の高低などで大体わかるものです。この女性も、とにかく陽性な人でした。最初に、名前など言ったかどうかもわかりません。とにかくパッパッと話をして、さっさと切ってしまいましたので、何歳の女性で、どうして無塩を始めたのか、何も聞いていないのです。名前と連絡先をきちんと聞いておくべきだったと後悔しているのです。もし、このレポートを読んで、再度連絡していただければ3年間の無塩食体験談を詳しくお聞きしたいと思っているのです。

 

4.それにしても、完全な無塩で3年間もやれるのだろうかというのが、正直な気持ちです。世の中には、信じられないようなことがたくさんありますから、本当に3年間、完全無塩かもしれませんが、そうなると塩分とは一体どのくらい必要なのか、3年間も備蓄していた塩分で大丈夫ということなのか、さっぱりわからないのです。

 

5.第五講で少し書いてありますが、私は無塩食をやると、だんだん塩分が不足がちになって、陰性な反応や症状が出てくると思っていたのです。しかし、この3年半の体験では、まったく逆な感じなのです。陰性になるどころか、むしろ陽性な反応で血液が粘ってくるのです。立ちくらみや、胸苦しい、手足が冷えるなど、一見すると陰性な症状かと思われますが、そうではなくて、陽性な排毒で血液が粘って、循環が悪くなっているだけでした。

 

6.以前の半断食指導の際には、体内の毒は陰性から出る。つまり、陰性な反応が出てきて、だんだん陽性な反応が出てくると話をしていたのです。本当にそれが正しかったのか、今現在、疑問を持っています。アルコールや果物などの陰性はすぐに代謝して蓄積するとは考えられませんが、砂糖は陰性で毒として蓄積するとしても、陽性な動物性のものなど、塩気のあるものと一緒になっているはずなのです。

    従って、砂糖の反応が出ている時は、同時に陽性な毒も血液中に溶け出していると考えられるのです。将来の飢餓に備えて、体が備蓄しなくてはならないものは塩分であると考えるならば、その塩分にくっついて砂糖の毒もたまるということになります。  

    水断食の初期や半断食の初期に出る「だるい、ねむい、寒い」という症状は陰性な反応だと思っていましたが、これは単に血液が排毒によって粘って出てくる症状かもしれません。この時に、梅生番茶が美味しいから陰性な反応だとは言えないのです。梅生番茶は陰性にも陽性にも効果があり血液循環を促進しますから、当然おいしいわけです。

 

7.体内に蓄積しているのは塩分を含んだ陽性毒であるとするならば、排毒反応は全て陽性だと考えられるのです。無塩食セミナーを3年半やってきて、この仮説の方がピタッとくるのです。病気が全て陽性だと言っているのではありません。一般的に言う陰性体質や陰性な病気でも、排毒反応は陽性ではないか?ということです。

   3年間、無塩の女性は実態が不明ですが、私が知る限り、1カ月以上の無塩食をやった人(数人ですが)は、陰性にはなっていない、むしろ陽性な症状が強いような感じなのです。

   なお、好転反応と言う表現は、時に都合よくつかわれ、間違いやすいので、私は使わないようにしています。反応とは、蓄積していた毒素が血液の中に溶け出してきた時に伴う症状を「反応」と表現しています。ゲルソン博士のいう肝性昏睡も反応です。好転反応だから心配いりませんなどは言えません。好転反応と言う表現が、問題だと思います。

 

「男性と女性の違い」
8.「ウイルスは恐くない」の128ページから千日回峰行について書かれています。その最後の方に、次の文章があります。

 

「最近、本で知ったことですが、奈良県吉野の金峯山寺でも千日回峰行が行われています。比叡山のシステムとは少し違い、9日間の断食、断水、不眠、不臥(四無行)は、千日間の回峰行を満行した後に行われるとのことです。また、別の行で100日間の五穀断ち、塩断ちという修行があります。五穀とは、米、大麦、小麦、小豆、大豆とゴマを断つ、塩断ちは味噌、醤油、塩など塩分を断つということで、三度の食事は野菜とそば粉が中心で味はほとんどないとのことです。

 この行を満行した塩沼亮潤氏のお話では、塩断ちは最初の3日間は身体が重く感じ、3日過ぎから10日頃まで記憶力が衰え、すぐに忘れてしまうが、その後は逆に頭が冴えて普段の3倍ぐらい本を読むスピードが上がったりして、記憶力が非常に良くなったとのことです。                   

 千日回峰行も、100日間の塩断ち行も、別世界のことのように思われますが、本当に血液がきれいになったら、こんなことも可能になるという事実を示してくれています。

 ただ私の感想としては、今まで行われてきたこれらの荒行が、今後も同じシステムで可能かという点については疑問があります。若い人の体質が50年前から見ても、相当悪化しているからです。」

 

9.塩沼和尚は千日回峰行の次に、9日間の断食(一切飲まず、食わず、寝ず、横にならず)を行ない、それから100日間の塩抜き行をやっているわけです。ということは、100日間の塩抜き行の方が、9日間の断食行より高いレベルの行なのかと思われるのです(一般的に、易しい内容からだんだん難しくなる)。少なくとも100日間の塩抜き行とは、誰でも気楽にできるようなものではないということを示しているかと思います。

 

10.私は塩沼和尚に2度接しています。1回は東京で講演会に参加、もう1回はお寺の護摩炊きに参加したことがあります(直接お話ししたことはありません)。このレポートを今年中にまとめて出版したいと思っているのですが、その際に塩沼和尚にぜひ面会して、100日間の塩断ち行について、色々お話を聞きたいと思っているのです。いつになるかわかりませんが、実現したら、すぐにレポートで報告したいと思います。

 

11.千日回峰行をやるお坊さんでも、塩断ち行の期間が100日間なのだから、普通の人は10日間位が限度なのだろうというのが、当初の私のイメージだったのです。ですから、3年間、塩分をとっていないという女性のTELに本当かなーと思ったわけです。

ここで重要なことは、塩沼和尚は男性で、3年間無塩を実践したという人は女性だということです。3年間の無塩食セミナーで再認識したことは女性と男性の違いです。昔の水断食でもそうですが、女性の方が2倍以上強いのです。男性で1カ月の水断食は、昔も結構大変でしたが、女性の場合はヘッチャラなのです。体重の減り方が全く違います。

    女性の場合は、無塩の野菜料理が抵抗なく美味しく食べられるのです。4、5日続けても食欲も落ちないし、無塩でヘイチャラだという人が多いのです。どんな野菜、果物が美味しいかは、人によって違いますが、とにかく無塩食は間違いなく女性の方が体質的に合っているのです。

男性には合っていないということではなくて、料理の内容が、その人にピタッとあてはまっていないと、美味しくないのです。また、長期の無塩食は、女性と比較したら難しいということです。無塩食の実践に際して、男女の違い、子どもと大人、大人でも青年、中年、老年での違い、また女性の生理中の場合など、後日のレポートで説明します。

 
「腰痛も高血圧も無塩食で改善」

12.話は変わりますが、第五講のレポートに書きましたが、「無塩食友の会」の事務局の澤井香日子さんの腰痛(脊柱管狭窄症、骨すべり症、ヘルニアの合併症の重症の痛み)が無塩食を続けて6日目頃に、朝起きたらまったく消えていたのです(2009年7月頃)。サウナに入ったり、散歩で汗をかいた時に、水分が不足すると、血が粘って組織が締まって痛みが強くなることはわかっていました。昔の動物性の塩分で、腰の組織が硬化しているのだから、無塩食で蓄積している陽性毒を抜いていけば、腰痛が改善するはずだという仮説のもとに、彼女の場合は、無塩食セミナーの開始前から数回の無塩食をやっていました(3日〜7日間位)。

   そして、2008年夏からは、三島のセミナーの度に、参加者の皆様と一緒に無塩食をやっていたのです(3日〜4日)。

   そのような経過で、ある日、朝起きたらいつもの腰痛が嘘のようになくなっていたというわけです。それから現在までの3年間は、塩分を入れ過ぎると腰痛になり、抜いているとなくなるという状況なのですが、毎朝散歩もしていて、腰痛があるといっても、程度が以前とはかなり違っているのです。自分でコントロール可能ということは、精神的には大きな違いなのです。

 

13.さて、第二講で書いた私の家内の高血圧がどうなったか、説明していませんでした。上記の澤井香日子さんの腰痛がとれたことを聞いてから、家内に言いました。

  「香日子さんの腰痛がとれたんだから、お母さんの血圧も無塩を続ければ絶対に治るよ。セミナーの時に23日無塩にしても治っていないのだから、もう少し長くやらないと、硬くなっていた血管の弾力性がもどらないんだ」ということで、無塩食8日目の朝、血圧がストンと下がって、その後3年間、以前のように上がることはないのです。

   なにしろ、大森先生の勉強をしてからの30年近く、小魚もとらない純正穀菜食を少食で、塩分も控えめでやってきた家内が、なぜ血圧が上がったのか全くわかりませんでした。香日子さんや家内の変化を見て、私の仮説が正しいと思いました。

 

14.ついでの話ですが、家内と香日子さんは、セミナーの時には、朝の6時から夕方6時頃までほとんど休みなく台所で家内は立ちっぱなしで(香日子さんは移動式の椅子に座って)、食事の用意をしているのですが、それは以前の半断食の時も大体同じなのです。ところが、塩気を入れていた少食半断食の時よりも、無塩食になってからの方が疲れないと2人共言っているのです。年に1回春にオランダでの合宿セミナーに行っているのですが、オランダ道場で台所をやりながら、指導をしている金沢初子さんも「無塩食になってからの方が、前より疲れない」と同じことを言っているのです。

   疲れるということは、血液の流れが悪い、ということかと思われます。塩分をきかした少食穀菜食の方が、無塩食より血液の流れが悪いとすればそれはなぜかということです。私の今までの思い込みでは、疲れた時は塩気を入れて、血液循環を促進するというイメージだったのですが、どうも違うようです。

 

15.また、話が変わります。現在、34日で三島で開催している無塩食セミナーは、どんな内容で、どんなものを食べているのか、体験したことがない人にはさっぱりわからないと思います。実際に食べてみなくては、味はわかりませんが、無塩食の実際について、基本的なことを以下、説明致します。

 

「無塩食の実際について
原則その@完全無塩と減塩の違い

 (イ)無塩食とは、塩分を一切とらない食事ですから、塩分が少しでも含まれているものは食べません。すなわち、肉、魚、卵、ハム、ソーセージ、ベーコン、チーズ等の動物性食品一切、塩分が含まれている加工食品、昆布などの海産物一切です。食べてよいものは、主に野菜と果物です。これを生でも、火を使って料理しても構いません。塩分の入っていない酢(米酢、バルサミコ酢、フルーツビネガー等)、香辛料(粉カラシ、本ワサビ、コショウ、一味、七味、柚子コショウ等)、かんきつ類(レモン、柚子、カボス等)、甘み(甘酒、メープルシロップ、リンゴエキス)などは、刺激が強くない程度に使って構いません。

 

(ロ)ここで、無塩食と減塩食の違いについて、確認しておきます。私が勧めているのは、完全無塩食で、減塩食ではありません。一般に言われている減塩食は、実は減塩になっていないために、ほとんど効果がないのです。これはどういうことかというと、私の考えでは次のようなことです。

@人間が普通の状況で生活している時に、必要な1日の塩分量が仮に10単位だとすれば、一般の人の食事には3倍から10倍の塩分が含まれているつまりは、必要量の3倍以上を日頃とっていて、余分な分は身体に蓄積するか、汗や尿から排泄されている。

Aこの人が減塩を心がけて、塩分量を2分の1(15単位)にしたらどうなるか。確かに今までよりは負担が減っているけれども、必要量以上にとっている状況は変わっていない。従って、塩分が不足して、体内の毒が代謝してくるという変化は起きない。結果として、たいした効果はないのである。

Bしかし、必要量の半分(5単位)しかとっていない減塩だったらどうなるか。上記はウソの減塩であるが、これは本当の減塩であり、不足分の5単位を体内の毒を分解して補うこととなり、完全無塩の場合よりも排毒速度が遅いだけで、同じ効果があると考えます。急がないで、ゆっくり排毒を勧めるという点では、完全無塩よりも良い場合が多いと思われます。

Cところが、本当の減塩食で効果を上げるためには、一体どの位の塩分をとったらよいのか、それがわからないのです。それを知るためには、先ず完全無塩食をやってみて、そこから少量の塩分を加えて、体の変化を確認して加減する以外に方法がありません。

D無塩食の目的は、蓄積している毒の代謝を実感し、それを長期的に、無理なく進めるために、日頃の正しい食生活と塩分量を体得する準備段階として行うものなのです。

 

 とにかく、減塩を心がけていたけれども効果がなかった、ということは、実際に減塩になっていなかっただけなのです。本当の減塩なら効果があります。

 

原則そのA 穀物や豆類には毒消し効果はない

 短期(1日〜5日程度)の無塩食の場合は、穀類、植物性蛋白(豆類、豆腐など)は、特に必要ない(食べてもよいが)。なぜなら、まずドンドン溶け出してくる陽性毒を中和するための野菜、果物、水分が必要であって、穀類や植物性蛋白を食べても、動物性の毒を中和することができないからです。長期の無塩食(半月以上)を続ける場合は、ある程度の穀物、植物性蛋白質をとっても良いと思いますが、原則として長期の無塩食を勧めていません。なお油については、はっきりとわかっていません。現在のセミナーでは、油を使いすぎないよう注意していますが、参加者の大部分は、油を使った料理を美味しがる傾向が強いので、少量の油を使っています。

 

原則そのB「必要なものは人によって違う」

 無塩の野菜、果物で何が美味しいかは個人差が大きい。その時、その人に必要な物が美味しく感じます。つまりは、今、血液の中に溶け出している毒を中和するもの、代謝を促進するものが美味しく感じるわけです。従って、他の人が美味しくても、自分は全く逆になることは珍しくないのです。

  塩分を使った普通の料理は、上手な人が作ったら誰でも美味しい料理ができます。しかし、無塩料理は参加者全員が一致して美味しいということはほとんどないのです(この3年間のセミナーでも2、3品しかない)

 セミナーでは、朝食は飲みものだけで、昼食と夕食の2回、無塩食料理をバイキング式で出しています(飲みものは、いつでも自由に飲めるようになっています。主に、リンゴジュース、ミカンジュース、レモン、炭酸水など)毎食、内容を変えて、色々な無塩料理の味見をしていただくのですが、品数としては1520種類位出しています。

「 最初は、1口ずつ全種類を味見して、どれが美味しいか、美味しくないか調べて下さい」と申し上げています。そして、美味しく感じるものを食べたいだけ食べてください、というシステムになっています。食後に皆さんに、次のような質問をしています。

 1つ1つの料理について、イ)すごく美味しかった ロ)まあまあ美味しかった  ハ)美味しくなかった、この三通りで手を挙げてもらっています。そうすると、ほとんどの料理でイ)ロ)ハ)がいるのです。つまりは、美味しいかどうかは、全く人によって違うのです。

 何が美味しいかは、食べてみれば誰にでもわかります(人に聞いてもわからない)

 

原則そのC必要量を思い込みで判断するな

 美味しいなーと感じる野菜でも果物でも、ジュース類でも何でも、食べたいだけ、飲みたいだけ摂って下さい、と申し上げています。ここで大切なことは、「要求するだけ食べてもよい」のではなく、「要求するだけ食べなくてはいけない」のです。

 99.9%の人は、「食べ過ぎ、飲みすぎはいけない」という身にしみ込んだ思いがあります。過食によって、体調をくずした経験は誰にでもあります。そうすると、美味しいからといって食べすぎるのはいけないのではという思い込みによって、もう少し食べたい、飲みたいけど、無意識のうちに控えようかなーとなってしまうのです。

 無塩食の場合には、この思い込みを意識的に切り捨てなくてはなりません無塩食の実践で失敗するのは、この無意識の思い込みなのです。体が要求しているのに控えるということは、毒を中和するために必要としている野菜、果物、水分等を控えているわけです。火事で燃えている時に、それを消すには必要な量の水をかけなくては、火は消えません。水を控えてはダメなのです。同じようなことなのです。

無塩食に過食という現象は起きないと考えています。必要な量以上に食べるということは起きにくいのです。ところが、普通の塩を使った料理は、注意しても過食になります。この点が全く違ってくるのです。

  セミナーの時に、台所のスタッフに次のようにお願いしています。

 「参加者の皆さんが、何が美味しいか全くわからない、どのくらいの量を作ったらよいかわからないのだけれども、できれば残る程度に作ってください」

  全く、むちゃの注文です。わからないけど、残る程度に作るなど、無理です。しかし、台所のスタッフは、ほどほどに残る程度に、「これでもか―」と出しています。以前の塩を使った少食半断食の時は、とにかく少量で良かったのですから、全く逆になってしまいました。

  無塩食セミナーの最初の頃は、「無塩食料理は簡単だ、楽でいいわ」とか言っていたのですが、だんだんわかってくるに従って、大変になってきました。無塩食といっても、料理の仕方によって、美味しさが全く違ってきたからです。そして、皆さんには食べたいだけ食べなければ、毒を消せないと言っているのですから、その料理がなくなってしまうということは、もっと食べたい人がいたけれども足りなくなったということを示しているのです。もっと食べたかった人は、毒消しのために必要なものが不足してしまうことになります。ですから、バイキング料理が最後に余っていれば、全員、食べたいだけ食べて、かつ残っているということです。果物など、すぐに追加できるものは、足りなかったら出しているのです。

  再度、大切なことなので、念を押しておきますが、無塩食実践における最も重要な注意事項がこのことなのです。その時、その人にとって必要な物が美味しいのです。その美味しいものを食べたいだけ、飲みたいだけ(もう要りませんというだけ)とらないと、血液の中に溶け出している毒を消せないということです。これを控えめ、控えめにしていると、徐々に血が粘ってきて、突然、強い反応が出てくることがあるのです。

  ゲルソン療法では、1回量220ccの野菜ジュースを1日13杯飲むよう指示しています(第六講の7項に書いた文章を再度読んでください。肝性昏睡を起こさないためには、日夜一生けん命に有害物質の排出をやらなくてはならないということなのです。そのために、1日に大量の野菜ジュースを必要としていると、ゲルソン博士は実践を通して導きだしたのです)

 それでなくても、第五講で書いたように、排毒で血液が粘ってきて、「喉が渇く」という反応が起きないのですから、意識的に食べたいだけ食べ、飲みたいだけ飲むことを心がけないと、不足してしまうのです(ただし、これは完全無塩食の場合であって、少量でも塩分が入ってくると、食欲がどんどん増して、過食になります)。

 

原則そのD「無塩食の期間は?」

 今、体内を流れている血液の中には塩分がありますが、それは徐々に汗や尿で排泄され、減っていくことになります。食べもの、飲みもので塩分が補給されないと、どの位で血液中の塩分が不足になるのか、正確にはわかりませんが、無塩食の実践体験からは、24時間経過したら足りなくなってくると思われるのです。なぜなら、24時間の無塩食を実行しただけで、体重減少、その他、排毒反応が起き始めるからです。

 従って、無塩食とはどんなものか、少しでも体験をしたいというだけならば、24時間の無塩食でも感じはわかります。しかし、女性で健康な人、または玄米菜食等を長年やっている人の場合は、24時間ではほとんど実感できる変化がないかもしれません。逆に言うと、体質の悪い人、血液の汚れている人ほど、反応が速いのです。

 そんなわけで、三島のセミナーでは、とりあえず48時間の無塩食体験をしていただいています(強制ではないので、24時間でやめる人もいます)。48時間の無塩食を実践すれば、特別の反応がなくても、それなりに体の変化を感じることができます。今までの食生活の悪い人は、排毒反応がありますが美味しく感じる飲みものをドンドン飲んで、毒を中和し、代謝を促進していきますから、つらい症状が続くということではありません(好転反応で辛いけれども我慢する、などというのは、根本的に間違っています。反応の意味内容が分からず、対応ができていないということです)。

 短期の無塩食は、48時間位としても、長い場合はどの位なのかということですが、現在の私の考えとしては、完全無塩は2週間程度で良いと思います玄米菜食を長年やってきた健康な女性ならば、1カ月以上でも問題ないかもしれませんが、一度に長く続けるよりも、短期の無塩食を時々行う方が安全で、無理がなく、失敗しにくいと思います。とにかく、最初から長期間の無塩はやめた方がよいのです。

 今までろくに運動していなかった人が、突然100q歩くようなことをすれば無理になります。まず3km位をゆっくり歩くことから始めるのと同じことです。48時間の無塩食によって、正しい食べものや微量の塩分がよくわかるようになります。 

                                                 以下、次号につづく

  

                            

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