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無塩食講座第29講 


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無塩食講座 第29講 2012822日アップ

今回は、無塩食講座第8講から9講までのレポートから要点を抜粋します。

 

【第8講から】

第7講の中で、「完全無塩食実行中は、過食という現象は起きない」「美味しく感じるものを食べたいだけ食べも良い、というよりも要求するだけとらないと、毒を中和できない」ということをお話ししました。

 過食という現象は、塩気のあるもの、塩分を一緒にとっている時でないと起きないのです。

 

「過食症は、塩分のとりすぎで、胃酸が出過ぎているのだから、塩分を減らせば過食症は治る」ということは、大森先生から聞いていました。

水だけの断食で、減食の時は食欲がありますが、断食に入って2日目頃には食欲が全くなくなっています。これは、胃液の分泌が止まっているために食欲もなくなってくるのです。

大森先生のお話でも、胃酸を作る原料は塩だから、塩分を減らせば胃液の分泌も減る。つまりは、異常食欲がおさまる、とのことでした。逆に胃腸が丈夫で、塩分過剰の人は、胃液がドンドン出てきて、いくら食べても、まだ食べたいということになるわけです。

 

三島のセミナーに2回参加された30代前後の女性のことです。彼女が、他の人と比較して2倍位の量を食べていたのです(頻繁に料理を取りに往復しているから、目立った)。

 それを見ていた香日子さんと家内が、台所でコソコソ話をしていました。

「彼女、チョッとおかしくない?すごい量食べてるよ。前回、来た時はあんなんじゃなかったよ」「そうねー、何か感じがおかしいね」とか、話しているのです。

次の日の朝の「体調報告書」をみて、「あー原因はこれか」とわかったのです。そこには、生理3日目となっていたのです。

 

一般的に、生理の出血開始前後に、異常食欲が出たり、イライラしたり、その他の症状が出ることがよくあります。これはどうしてかというと、生理の毒が外に排出される時に、少量でも血管に入り、その毒が循環するためと考えられるのです。陰陽の原則からすると、陽性な毒は下半身にたまり、陰性な毒は上に上がるわけですから、生理の血は、塩気の強い陽性な毒を含んでいるのです。従って、日頃の食生活が悪い人は、生理の血も汚れているため、その毒がまわってくるので具合が悪いわけです(当然、生理痛もある)。

 

彼女の場合は、日頃の食生活は正しくても、生理の時は、塩気の強い陽性な成分が吸収され、循環しますから、それを中和するために、普通の時よりたくさんの陰性な野菜、果物を必要としたのです。

  

ここで、無塩食と水断食との比較をしておきます。無塩食は、一般的玄米菜食より、水断食に近い位置づけでとらえた方が分かりやすいと思います。

水断食は、昔は生水しか飲んでいませんでした。私はこの水断食を19歳の時に自宅で自分で23日実行しました。この生水を断食指導者は、1日1升飲めとか、できれば2升飲めとか言っていたのです。一度にはたくさん飲めませんから、ちょっとずつ頻繁に飲むことを勧めていました。

断食中にどの位の水を飲むべきかについて、「飲みたい時に、飲みたいだけ飲めば良い。必要な量は生命に聞きなさい」という考えが正しいと最近まで思っていたのです。しかし、これは間違っていたようです。第五講のレポートでお話したように、排毒による血液の濁り、粘りの時には、必要であっても喉の渇きが起きにくいのです。従って、水分が不足して、症状が悪化するのです。ですから、ゲルソン療法でも、昔の水断食でも、意識的に水分を取るように指導していたのです。つまりは、「必要な水分量を生命は教えてはくれなかった」のです。

 

無塩食は昔の水断食の欠点を取り除き、かつ効果をより高めた排毒法だということがわかりました。

 

無塩食も水断食も、塩分を一切取らないという点では同じなのです。そして、無塩食で食べる野菜、果物は、固形状の水分なのです。つまりは、生水の代わりにビタミン、ミネラル、糖分などが含まれている水分を食べているのです。

水断食の場合は、固形物が一切入らないため、胃も腸も動きが少なくなり胃液の分泌も止まってしまいますが、無塩食の場合は固形の野菜や果物で、胃も腸も動きますし、分泌量がだんだん減っても胃液も出ています。無塩食でも水断食でも、体内に蓄積している毒がドンドン分解されて出てきます。その結果、体重が減ってくるのですが、なぜそうなるかと言えば、塩分をとっていないからなのです。

塩分を一切取らないので、不足している塩分を補うために体内の毒を分解する、その毒が血液の中に溶け出してくるという点も同じです。違いはここからです。水しか飲まない断食より、血液中の毒を中和するための野菜、果物、ジュースなどを的確にとっている無塩食の方が、毒素の処理がズーと速いのです。また、自覚的な反応が少なく、気分も良いため散歩でも体操でも普通にできます。運動によって、より代謝が促進します。

しかし、水断食の場合は、血液の中にドーと溶け出してくる毒素の処理が遅いために、だるい、ねむい、寒い、気分が悪い、力が入らない、となり、結局ゴロゴロ寝ていることとなります。

 

水断食では、胃腸が全く動いていませんから、復食は充分に注意を要します。断食は簡単ですが、復食を正しく進めることは大変難しいのです。無塩食の場合は、普通と同じように胃も腸も動いていて、胃液も出ているので、特別な復食期間というものは必要ないのです。

ただし塩分を摂りすぎると、翌朝むくんだりする点は無塩食も同じです。とにかく、排毒という効果においては、水断食より無塩食の方が効果があり塩分を入れ始めた時の反応も少ないという点において、無塩食の方が優れていると思います。

 

水断食と無塩食の一番の違いは、精神的ストレスの違いです。お坊さんが修行として行なう水断食のことはわかりませんが、一般人の行なう水断食では、減食、断食、復食と、かなりの精神的、肉体的ストレスがあります。

断食道場では、テレビの料理番組などを熱心に見て、「帰宅したら、あれを食べよう、これを食べよう」などと考えたり話している人が多いのです。断食中に飲む水が、「とても美味しい」わけではありません。むしろ、我慢して、チビチビ飲むことさえあります。吐気があっても、「それは好転反応です、反応に感謝しなさい」などと指導者は言っているのです。そして、苦しんだだけ効果があるなどと、錯覚しているわけです。この断食中のストレスも原因となって、帰宅後に暴飲暴食となることも少なくありません。断食で減った以上に、アーと言う間に太ってしまいます。

その点では、無塩食の場合は、その実行中に、精神的ストレスはほとんどないと言ってよいのです。何しろ、我慢することは一つもないのです。塩分が入っていないと言っても、嫌なもの、美味しくないものを無理に食べるわけではありません。無塩であっても、美味しい料理、果物、ジュースが必ずあるのです。その美味しいものを、食べたいだけ食べ、飲みたいだけ飲んで良いというわけです。満足感も、満腹感も、十二分にあるのです。

 

昔の水断食では、大部分の人が復食時に食べすぎてしまいます。異常食欲がどうにも止まらないのです。ひどい場合は、餓鬼道に陥った感じです。この復食時の食欲をコントロールすることなど、不可能だと思っていました。しかし、無塩食を始めて、この問題もわかってきました。食欲のコントロールをするためには、塩分のコントロールをすれば良かったのです。

  

「復食時に食べすぎたら、元の木阿弥にある」「長期の断食後に、道場の外で過食したら命にかかわることになる」など、指導者は、とにかく復食時に過食してはいけないというだけで、どうしてそうなるか、またはどうやったら過食を防げるかについては、何も言っていなかったのです。出てくる食欲を、意志の力でコントロールなどできないのです。しかし、塩分量を注意することは可能です。

 

さて、人類の歴史の99.9%は、飢餓の歴史であるとのことです。食べ物が手に入らない時はどうしたか、水を飲んでいたのです。つまりは、水断食状態になったのが、飢餓の実態です。つまりは、水断食とは、人類にとって最初から宿命的なものであって、特別に健康法として工夫されたものではないということです。

食べ物が手に入らない状態が3日間、7日間、10日間、20日間と続くと、どうなると思いますか?だんだん体力がなくなって、食べ物を手に入れるのが難しくなるのではないか、と思われるかもしれません。ところが違うのです。断食をやってみるとわかりますが、だるい、ねむい、気力も出ないのは最初の3日~5日間だけなのです。断食7日目頃からは、体も気分も楽になり、10日過ぎには「どうしてこんなに軽いのか」という感じです。その時には、五官の働きも良くなっていて、眼はよく見える、遠くの音も聞こえる、臭覚も敏感になっているのです。そして、第六感もさえてきて、食べ物を手に入れる能力が普通より高まっているのです。そして食べ物を得て、命を保ってきたわけです。

  

頻繁に飢餓状態に襲われた昔の人類は、水だけ飲んで体に蓄積している栄養物を分解して、生命を保ってきたわけです。野菜も果物もないわけですから、私が勧めている無塩食などできるわけがありません。人類発生と同時に否応なしに行われてきた水断食より、野菜や果物をたくさん食べる無塩食の方が、排毒速度が速いとか、心身のストレスもなく効果があるとかの比較自体が本来おかしなことなのです。

ゲルソン療法にしても、無塩食にしても、飢餓など全くなくなり、長年の過食、邪食で病的な現代人にとって、必要となってきただけなのです。動物性食品(肉類など)を食べるということは、その何倍もの穀物を食べていることになります。それを大食しているということは、他の人々の食べ物を奪っているとの考え方があります(地球上では多くの人が飢餓状態にある)。その罪を清算するためには、本当は水だけ飲んで労働するのが正しいのかもしれません。手間とお金をかけて、多量の野菜や果物を食べるとか、ゲルソン療法の1日13杯の野菜ジュースを飲むなど、飢餓の人から見たらとんでもないことかもしれません。

 

【第9講から】

「無塩食友の会」事務局の澤井香日子さんは20年以上、花粉症で苦しんできたのですが、この3年間は花粉症の症状がほとんど出ないとのことです。

この3年間、彼女が無塩食を続けているわけではありません。昔の塩分量と現在の塩分量を正確に量ることはできませんが、おそらく5分の1程度ではないかと思われます。セミナーの時には、3日~4日間の無塩食をやっていますが、通常は昼食で塩分をとれば、夕食は無塩を心がけるという感じです。

無塩食セミナーを始める前は、普通に玄米菜食の食生活を続けていたのですが、花粉症はほとんど改善されなかったのですから、この3年間の変化は無塩食(減塩食)によるものと考えられるのです。

 

なぜ、無塩、減塩で花粉症が治ったのかについては、よくわかりませんが血液中の蛋白質が分解されやすいためと思われます。一般的にアレルギー反応は、蛋白質の反応ですから、無塩にすると、塩分を含んだ蛋白質や脂肪を分解して、不足の塩分を補う働きが起きます。つまりは、血液中の未分解の蛋白質も分解されて、反応が起きなくなると考えられます。

  

さて、話が変わりますが、約20年前から毎年春にオランダで開催される半断食セミナーのお手伝いに行っています。参加される方は、大部分が長年マクロをやっている人達です。

5年、10年と玄米菜食を実行しているにもかかわらず、なぜか腎臓や婦人科が異常の女性が多いのです。一言で言うと、腎臓や婦人科(子宮)がギューと締まっているのです。ですから、参加者の99%の人がヤンノー(小豆汁)を美味しく感じるのです。

小豆には、腎臓、泌尿器、生殖器などを徐々にゆるめる働きがありますから、これが美味しい人は、これらの組織が硬化していると思われます。

なぜヨーロッパのマクロの人達は、腎臓、泌尿器、生殖器が委縮、硬化しているのかについては、チーズとナッツ類、そして水の問題だろうと思われます。

以下「ウイルスは恐くない」126頁の「水の問題」・

 

水の問題

 毎年オランダでの体験を重ねるうちに、一つの疑問が出てきました。長年玄米菜食を実行している人達でも、腎臓、泌尿器、生殖器などの異常が多いのは何故なのか(主に、女性の場合は婦人科の異常が多い)。10年以上も肉魚、卵を食べていないし、小魚も食べていなのに、なぜ婦人科の症状があるのか。

このような腎臓、泌尿器、生殖器が硬化する原因は、チーズとナッツ類が主たる原因だと考えていました。ヨーロッパでは、玄米菜食者でもチーズは食べている人が多いのです。また、パンにゴマバター、ピーナツバター、その他いろいろなナッツのペーストをパンに塗って食べる人が多いのですが、このチーズやナッツは、腎臓等に負担になるのです。特に、チーズに含まれている塩分は多量で、その塩分で組織が萎縮、硬化していると思っていたのです。

 ところが、5年程前に、もっと重大なことに気がつきました。それは水なのです。ヨーロッパの水は、日本の軟水と違って硬水が多いのです。ミネラルの多い硬水によって組織が硬化していると解釈すると、色々な疑問がすべて納得できたのです。例えば、次のようなことです。

 オランダの野菜は、日本と比較して小さくて硬いものが多いのですが、これは水の違いです。日本から私が持っていったシイタケを使ってダシをとったり、シイタケスープを作っても、同じようにできないのは、硬水でダシが出にくいと考えたら納得できます。

 また私は、毎年日本からオランダに着いて、2,3日すると便秘になるのですが、なぜ便秘になるのか疑問でした。これが、硬水で腸がギュッと締まってしまうせいと考えたら、納得できるのです。硬水が組織を萎縮、硬化させる一番の原因に違いないと思い、タクアンの実験をしてみて、確信が持てました。

 カチカチのタクアンを薄く切って、同じ大きさのものを2切れ選び、一つは軟水につけ、もう一つを硬水につけて、1晩置いておきました。翌朝見ると、軟水につけたタクアンは2倍に膨らんでいたのですが、硬水のタクアンはほとんど膨らんでいないのです。

硬水と軟水の違いに気がついてから、「日本人が日本で実行している玄米食の内容を、そのままヨーロッパの人達に当てはめることは、無理がある」ことを再認識した思いです。

 ヨーロッパへ旅行した時は、硬水で作った紅茶やコーヒーより、生ジュースとかビール、ワインを飲んだ方が良いと思います。日本からヨーロッパに着いた時は、寝不足でも元気なことが多いのですが、帰国すると4,5日身体がシャキッとしません。これも水の違いです。帰国して1日経過すると、締まっていた組織が軟水で緩んでしまいますから、力が出ないわけです。一日中、ぬるま湯につかっているのと同じようなものです。

 ヨーロッパへ行ってビールを飲むと旨いと思い、それを買ってきて日本で飲むと、それほど旨くありません。ヨーロッパに滞在している時には、硬水で組織が締まっていますから、緩めるビールがより美味しく感じるのです。

 

また、話が変わりますが、オランダのセミナーに参加された40歳の女性のお話です。健康調査書を見ると、「生理痛がひどい」という記入があったのです。

生理痛がひどいというのは、まだ血液がきれいになっていない。そこに毒があるということですから、時々でも動物性が入っているのなら、それをやめた方がいいと思いますよ。」

「今は、少量の肉、魚を週に1回食べていますが、以前丸2年間徹底してマクロの食事をやっていました。ですが、生理痛は治らなかったのです。」

「え~、丸2年間、肉、魚、卵、チーズなど全く食べなかったのですか? それはいつ頃のことですか?」

 「5年程前です。2年間は動物性は全く入れませんでした。」

 「その時に、生理痛の症状は良くならなかったのですか?」

 「そうです。ひどい痛みは変わらなかったのです。」

 

過去45年間で、こんな女性に出会ったことはありませんでした。玄米食に改善したら、生理痛が治った話はたくさんありますが、2年間も正食を続けて治らなかったという話は聞いたこともなかったのです。私は、「さて、どういうことなんだ?」と思案をめぐらしながら、「ところで、生理痛の痛みですが、どんな痛みなのですか?」と聞いたのです。彼女の答えは、「鋭いナイフでグサッと刺されるような痛みです。」 とのことでした。その時に通訳をしてくれた女性が後で、「あの表現には私もびっくりしました」と言っていました。その後、日本でこのお話をした時に、「この表現が何となく実感できる人?」と質問すると、2割位の女性が手を挙げているのです。

 

さて、その時の私の思考過程は以下のようなことです。

 ①なぜ玄米菜食を真面目に2年間実行しても、生理痛が治らなかったのか?

  大体、生理痛とは何だ。どうして痛みが出るのか?

 ②待てよ、生理とはそもそも何だ。なぜ出血するのか?

 ③なんのために出血があるのか。それは簡単だ。妊娠の準備のために出血するわけだ。卵巣から卵子がピョンと出て来る。その卵子に精子がくっ ついて受精卵になる。この受精卵が子宮の粘膜にくっついて(着床)、 酸素や栄養が受精卵に送りこまれ、受精卵が成長するわけだ。

 ③ところが、もし子宮の粘膜が汚れていたり、粘膜が硬く厚くなっていて表面まできれいな血液が循環していなかったら、受精卵が粘膜に着床し ても、酸素や栄養を補給する事が出来ない(胎盤は最初はないのです)。

 ④従って、妊娠するためには、子宮の粘膜をきれいに大掃除しておく必要がある。そのためには、古くなり、硬くなった粘膜を全部はがしてしまい新しいきれいな粘膜にして、表面まで血液が循環していることが必要になる。

⑤そうか、生理の時は、血液がそこに集まってきて、内側から圧力をかけて、子宮の粘膜を内側から押しはがすということだ。

⑥ところが、もし汚れが多いとか、粘膜が硬くなっていたりすれば、少しの圧力では押しはがすことができない。強い圧力がかかることになる。 それが生理痛だ。生理痛とは、歯の痛みのような神経にさわって痛いの とは違う。強い圧力(圧迫感)を痛みと感じただけだ。

 

彼女に、2年間の食事内容を確認して、わかりました。2年間、ゴマ塩を多量にかけて玄米を食べていたというのです。このゴマ塩が、生理痛が治らなかった原因だったのです。ゴマ塩の摂りすぎによって、子宮の粘膜やその周辺の組織が硬化していたのです。その硬くなっているところに、大量の血液を送り、粘膜を押し破るためには、高い圧力を持続的にかけていく必要があったのです。その圧力を痛みと感じるのです。そして、粘膜の一番弱い所に穴があくように押し破られることになります。まさに、彼女の表現通り、鋭いナイフをグサッと刺されたように、粘膜の一点がまず破られるわけです。

 

上記の女性の場合は、塩分の過剰、ゴマ塩の過食によって、下腹部の組織が硬化していっても、まだ生理はあったわけですが、これがさらに委縮、硬化が進むと、生理が止まってしまうことになります。

近年、日本でもマクロの陽性食をやって生理が止まってしまう女性が増えているように思います。これは、陽性で生理が止まっているのに、瘠せ型で手足が冷えるものですから、陰性だと錯覚し、ますます陽性食で塩気をきかすという間違いが少なからずあるように思います。手足が冷えるのは、締めすぎで末端の循環が悪いだけなのです。

 

ついでに関連事項ですが、閉経間際の女性が無塩食をやった場合に、じきに生理になるということがよくあります。半年位、生理がなくて、もう終わってしまったと思っていたら、無塩食でまた生理になったという話をよく聞いています。一言で言えば、若返り効果があるということです。

ここで、無塩食を実行した時の反応について、基本的なことを説明しておきます。

 まず、反応とは何かですが、私は排毒症状ととらえています。体の中に蓄積していた毒が血液の中に溶け出してきて、その毒血が循環した時に伴う症状を反応と言っています。この毒は、肝臓、腎臓で分解、処理されていきますから、ほおっておいてもだんだん治まってくるわけですが、不快感や多少の苦痛がありますから、反応は弱い方が楽ですし、早く経過した方がよいのです。

そのためには、今、血液の中に溶け出してきた毒を中和するものを、飲みものとして飲んでやるのが、一番早いのです。固形物より水分の方が早く吸収され、血液の中に入るからです。そして、今、必要なものが美味しく感じるというのが原則です。しかし、美味しいものには、正しい生理的要求で美味しいものと、毒が毒を呼ぶという中毒的要求で美味しい場合もありますから、その点は理性で判断しなくてはなりません。

さて、反応のことを好転反応とよぶことがありますが、以前もお話ししましたが、私は好転反応という表現は、間違いのもとになるから使わないことにしています。反応は反応であって、なぜそのような症状が出ているかが問題なのであって、反応だから何でもほおっておいてもよいとは言えないのです。

第六講のゲルソン療法のところで書いたように、ガン細胞が一気に分解しその毒が血液中に溶け出してきた時は、処理が間に合わないと肝性昏睡を起こす危険性があるのです。ところが、「好転反応だから心配ない」と考えてしまうことがあります。悪転反応はないのですから好転反応もないのです。軽い症状で、数時間かせいぜい1日で経過するようなら、ほおっておいても良いとしても、辛い症状が継続しているなら、好転反応などと言ってほおっておくのは間違いです。

 

一般的な反応について

①だるい、ねむい
②寒い   

③尿量が多い
④便通が多い、または便秘がちになる

⑤頭痛、肩こり、背痛など

⑥胃の不快感、吐き気

⑦夜中に目が覚める、寝られない
⑧夜中から、朝方に脚がつる

⑨口の中がしょっぱくなる

    

その他、色々な反応がありますが、基本は同じです。今、血液の中に溶け出している毒を中和するものが必要な物であり、それを美味しく感じます。大切なことは、それを飲みたいだけ飲んで、ひかえめにしてはいけないということです。

強い不快感や苦痛のような反応が突然出て来るような場合も、本当は突然ではなく、1日~3日位はかかっているのです。何度も書いていますが、排毒によって血液が粘ってきて、流れが悪くなっても、喉が渇かないのです。しかし、飲んだら美味しく感じます。ゲルソン療法のように、1日13杯の大量のジュースを無理して飲むというのは、疑問もありますが、少なくても不足によるリスクを考えたら、まだ良いのかもしれません。

 

【無塩食と他の食事療法との位置関係図】20124月11日作成)

※この図は今後、修正されるかもしれませんが、参考としてみて下さい。
                           
【解説】
①先ず、中央の円を、日本人にとっての正しい食生活の範囲と位置づけまし た。この中央円と交わっているのは、大森先生の正食のみです。つまりは 大森先生の正食から塩分過剰の問題を修正すれば、正しい位置になると  いうことです。

②縦線から右側は少しでも動物性が入っているということですから、桜沢先 生が60年前に世界に広めたマクロビ食は、小魚、貝類をとっていますから 縦線の右側に位置します。

③横線から下は、塩分量が必要量以下になっているだろうと仮定しています ゲルソン療法は、動物性を少量でも入れているので、縦線の右になります。

④國清の無塩食、昔の水断食、お坊さんの100日間塩断ち行の三つは、一時 的に行うものであり、日常的食生活ではありませんから、同じ図表に書く のは位置関係を理解してもらうためです。


                                                       以下、次号につづく


 
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