無塩食講座 本文へジャンプ
無塩食講座第23講 


※疑問、質問、ご意見など、何でも掲示板へお寄せ下さい
只今、國清拡史の「無塩食講演会」(1時間~3時間)を承っております。お申し込み、お問い合わせは「無塩食友の会」事務局までお願いいたします
(メールはこちら

無塩食講座 第23講 201274日アップ 

「ウイルスは恐くない」私の体験から

 

1.蓄膿症の話

 私は昭和22年生まれで、今年62歳になります(2012年現在は65歳)。現在は、静岡県三島市の沖ヨガ道場で半断食セミナーを開催しております。約40年間、断食、半断食を通して、正しい食べものとは何かを勉強して参りました。略歴を簡単にまとめますと、

  19歳の時、自宅で自分一人で23日間の水飲み断食を体験

  20歳から3年間、三島の沖正弘先生のヨガ道場で弟子として勉強

  24歳から6年間、東京の森下敬一先生の自然医学会・お茶の水クリニックに勤務

  30歳から2年間、東京府中の断食道場で断食指導を行う

  33歳から、大森英桜先生に学び、半断食指導を開始し、現在に至る。

 

 第二章の私の提言である「正しい食べもので血液を浄化すればウイルスは恐くない」ということをご理解いただくために、私自身の体験、また指導体験から、具体的な事例を色々お話させていただきます。

 

 最初に、私がこのような道に入るキッカケとなった蓄膿症と、最初の断食体験のお話です。中学2年生の頃に蓄膿症になり、1日に50~60回(10分おきに)鼻をかんでいました。その鼻汁は黄色くて粘っているので、力を入れて鼻をかむため音が出るのです。授業中の静かな時に、音を出して鼻をかまざるを得ないことが、精神的にも負担になっていました。病院へ毎日通院しましたが、半年間何の変化もなく、疑問を持ってやめてしまいました。

 高校生になって手術を受けましたが、これもまったく効果がなく、その後も10分おきに鼻をかんでいたのです。高校卒業後、1年間、浪人生活を送りましたが、受験勉強は2ヶ月で嫌になり、健康関係の本を読みあさりました。断食の本、玄米食の本、ヨガの本、その他、1年間で50冊以上の本を読んだと思います。その結果、断食をすれば蓄膿症が治るのではないかと思い、自宅で23日間の水飲み断食を決行したのです。断食の本には、初めての人が自分でやったら失敗する、道場に入所して、指導者のもとで行うよう注意されていましたが、お金がなかったため、自宅で本を頼りに実行したわけです。

 その経過をここで詳しく説明しきれませんが、23日間水だけを飲んで、あとはゴロゴロ寝ていました(これを、水飲みゴロ寝断食と言います)。断食7日目頃から、鼻汁がほとんど出なくなり、10日目にはまったく止まっていました。それまで6年間、毎日50回も60回もかみ続けていた鼻汁が、完全に出なくなりました。今考えれば、これは当然なことでした。鼻汁は天から降ってきたわけではなく、私の体内から出てきたのです。鼻汁を作っていた原料、材料は、私が毎日食べていた食べものでした。

 断食中で何も食べていないのですから、鼻汁の元になる材料がなくなったから、出なくなっただけなのです。私の体を作っている材料も食べものですが、同様に鼻汁も食べものから作られていたのです。

 後に、大森英桜先生の勉強をしてわかったことですが、私の蓄膿症の原因は主として、卵と甘いものでした。鼻汁にも色々あります。透明な水っぽい鼻汁、白色の鼻汁、青い鼻汁、黄色で粘った濃い鼻汁など、違いがあることは皆様も体験されているかと思います。鼻汁の材料がどんな食べものかによって、色も濃さも粘りも違ってくるのです。

 一般的には、肉、魚、卵、またその動物性加工食品から作られた鼻汁は、色が黄色っぽくなります。白米、甘い物が材料の場合は、白色っぽい鼻汁となります。私は子供の頃、卵焼きが大好きで、卵を毎日23個食べており、お弁当のおかずはほとんど、卵を2個焼いた卵焼きを持っていっていたのです。肉も魚も、普通に食べていました。そして、甘い物も大好きで、アンパン、飴玉、甘納豆、チョコレートなどを毎日たくさん食べていました。その結果、卵などの動物性食品で黄色の鼻汁となり、甘い砂糖で鼻汁は粘っていたのです(砂糖はベタベタ粘る)。

 果物を過食して鼻汁が出た時は、透明な水鼻で粘りが少ないので、自然に流れてきたりします。ジャガイモなどの陰性な野菜を過食した場合は、青い色になります(昔の子供によく見られました)。しかし、卵と砂糖で濃く粘っていた私の鼻汁は、強い圧力をかけて鼻をかむ必要があったのです。今考えますと、蓄膿症という病気は、断食などしなくても、日常の食生活を改善すれば、2週間で治る病気でした。

その当時は、まだ食べものについてよくわかっていませんでした。断食後に、食生活が乱れて、過食、大食となり、以前と同じ食生活に戻ったら、とたんに前と同様に鼻汁が出てきたのです。その後、沖正弘先生のヨガ道場に入所して、2週間後には、この鼻汁はピタッと止まってしまいました。ヨガ道場の食事は12食で、昼は玄米菜食、夜は蕎麦かうどんで少食なのです。肉、魚、卵、甘いものが何も入らなかったら、2週間で治るのです。

 

2.近眼の話

 小学校5年生の頃から近眼になり、毎年のように、眼鏡の度数を上げていく状況でした。ヨガ道場で2年目頃(21歳頃)、近眼を治そうと思って、何度かの断食をやりました。沖先生が、ヨガで近眼が治るという本を出版していたのです。私は弟子として、道場で指導的立場になっていましたから、眼鏡をかけて指導するわけにいきませんでした。

 沖先生自身が若い頃、近眼でしたが、断食やヨガの修業で近眼が治ったという体験を持っていたのです。徹底した断食とヨガをやれば、近眼は治ると思っていましたが、結果として変化がありませんでした。それから10年後に大森先生の勉強をして、初めて近眼の原因が、私の場合は砂糖から来ているということがわかったのです。

 一般的に、近眼には陽性と陰性の2種類あります(陰陽については、後で説明しています)。肉、魚、卵など、動物性を過食してなる陽性な近眼と、甘いもの、果物を過食してなる陰性な近眼があり、日本人の近眼は主に陰性の近眼が多いのです。近眼という症状は同じでも、その原因の食べものが違うのです。

アメリカ人のお医者さんが書いた「貴方も眼鏡がいらなくなる」などという本を見ると、眼球の運動とかマッサージなど、簡単な刺激療法で実際に近眼が治っているようです。アメリカ人の肉食による陽性な近眼は、比較的簡単に治る場合が多いのですが、甘いものによる陰性な近眼は、ヨガの体操をしても、水断食をしても、一時的な効果しかありません。視力回復センターなどで治るのは、陽性な近眼なのです。砂糖の過食からくる陰性な近眼を治すためには、その原因である日常の食生活を徹底して改善しないと治りません。子供の頃よりは良くなっていますが、私は今も眼鏡をかけています。果物、コーヒーなどの陰性食品をとっていると、なかなか治りません。東洋医学では、「目は肝臓、耳は腎臓」といいますが、目が疲れるとか、目つきが悪いとかを含めて、眼の病気は肝臓からくる症状です。乱視は果物の過食から来ることが多く、遠視は水分の取りすぎです。

 

3.盲腸の話

 子供の頃、盲腸の手術をしました。盲腸と食べものの関係について、簡単にお話します。なぜ、盲腸部に炎症がおきたのか、きれいな血液が流れているところには痛みは起きません。頭痛でも、肩凝りでも、背中の痛み、腰痛生理痛など、どこのどんな痛みでも、痛みというものは、そこに毒素がたまって、血液循環が悪くなって生じるのです。ですから、もんだり、生姜湯で温湿布をすると、血行がよくなり、凝りや痛みがとれるのです。

 食べものが、胃や腸で分解、消化される過程で、また代謝の際に体内で色々な毒素(老廃物)が発生してきます。その毒素が代謝しきれないと、体内に蓄積してくるのです。一般的に、肉、魚、卵など、動物性の陽性な食物は体の右側に影響してきます。

 例えば、肉を過食して、それを分解、消化また中和するための野菜、果物香辛料が不足すると、肉の腐敗便が盲腸部(右下腹部)で滞り、炎症が起きるのです。私の場合は、肉、卵、魚を食べていましたから、盲腸になったのです。同じ肉食をしても、その食べ方で違ってきますから、肉食をしている人が、全て盲腸になるわけではありません。

 以上の説明では、何だかよくわからない、理解できない方が多いと思われますが、この本を読み進める中で、だんだんご理解いただけると思いますので、ここでは詳しい説明を避けて、私の体験のお話を続けていきます。 

 

 

4.ぎっくり腰の話

 30歳代に、何度かぎっくり腰になりました。体験のある人はわかりますがまさに、ギクッとなって、突然の痛みが出て、ひどい時は歩行も困難になります。この原因は何なのか、私の場合は、魚貝類の過食でした。比較的年配の日本人の腰痛は、魚貝類から来ることが多いのです。それがわかってきたのは、大森先生の勉強をしてからでした。大森先生に出会うまでは、魚の毒が腰に来るなどということは、まったく知らなかったのです。

 19歳の頃に断食をして、沖先生のヨガ道場での3年間、森下先生の自然医学会・お茶の水クリニックで6年間勉強していましたから、その10年間で出版されている本は全て読んで、食べものについては、わかっているつもりでした。玄米菜食を日本と世界に広めた桜沢如一先生の教えでは、小魚、貝類は食べても良い、ということになっていたのです。桜沢先生の教えを受けた昔の指導者は、玄米菜食で小魚は食べても良いと言っていましたから、私も10年間、毎日食べていました。みそ汁などのダシには、煮干、かつおぶしを使い、小魚(手のひらに乗る程度のもので、いわし、シシャモ、その他)と、貝類(あさり、しじみ)、イカ、タコ、エビなどを、毎日食べていたのです。

 特に、私はエビが大好きで、外食の際には、エビの天ぷらそば、エビフライをよく食べていました。さらに、煮干をフライパンで乾煎りして、おやつでポリポリ食べいました。

 それが30年ほど前に、大森先生の講義で「魚の害」という話を聞いてビックリしました。魚の害については、あとでまとめてお話しますが、私のぎっくり腰はエビの過食が一番の原因でした。何しろ、10年間で人の3倍位食べたと思います。エビフライなど、よく揚がっていると、尾の所のカラまで食べて、「カルシウム」などと思っていたのです。これが、まったく間違っていたことなど、大森先生に出会うまで思ってもみなかったことでした。

 ついでに、長男のことです。長男が五歳の頃に、何気なく身体に触って気がついたのですが、体が硬いのです。どこを触っても、パンパンと硬くて、前屈させてみたら、私より硬くて曲がらないのです。本来、子供は柔軟なはずなのに、なぜこんなに硬いのか、その時にはわかりませんでした。その1年後に大森先生に出会って、長男の体が硬化していたのは小魚が原因だったとわかったのです。

 長男の食事は私と同様に、玄米、菜食(主に、根菜類)で、ゴマ塩をかけて、小魚を食べさせ、さらにおやつで煮干をポリポリ食べさせたのです。大森先生の表現では、「煮干、かつおぶしが最悪だ、ダシに使っただけでも、煮干のように体が硬くなる」というのです。私達の体は、食べものでできています。硬いものを食べたら体も硬くなり、柔らかいものを食べたら柔らかくなるのです。豆など丸いもので顔も丸くなり、細長いもので細長くなるのです。背丈の高いもので、背が伸びます。そんな馬鹿な、と思われるかもしれませんが、本当にそうなのです。この30年間、私はそれを実感、体験してきました。

 私自身の体験ではありませんが、小魚をやめたら腰が柔らかくなったお爺さんの話を紹介します。

 そのおじいさんは、私の半断食セミナーに最初に参加して以後、小魚をやめてしまいました。それまでは、玄米菜食でしたが、小魚、貝類は良いと思って食べており、娘さんがガンになり、森下先生の本を読んで、食生活を改善していたのです。毎年夏ごろに半断食セミナーに参加していたのですが、10年ほど経過した時でした。75歳くらいのおじいさんが、参加者の中で、一番身体が柔らかいのです。前屈などしても、若い人よりも軽く曲がっているので、皆が、「おじいさんが一番曲がる」と言って感心していたら、「いやいや私も、10年前はこんなに曲がらなかったんですよ。大森先生の指導で、小魚もやめて10年たったら、だんだん曲がるようになってきたんです。」と言うのです。私は、それを聞いて思いました。「60歳過ぎても、体は代謝しているのだから、魚介類を全く食べなければ、腰に蓄積していた魚の毒も代謝していくんだ。ぎっくり腰こそならなくなってきたが、私の腰がまだ硬いのは、時々魚を食べているせいだ。」

(誤解のないように補足しておきますが、腰痛の原因は様々です。簡単なものから、なかなか治らないものもあります。全ての腰痛の主たる原因が、貝類ではありませんから、念のため。)

 

5.右膝を子犬にかまれた話

 私の個人的体験には、魚が原因の話が多いのですが、それは大森先生に出会うまでの10年間、小魚とエビをたくさん食べていたせいです。

 まだ20歳代で、森下先生のお茶の水クリニックに勤務していた頃のことです。自宅の近くをジョギングしていたのですが、突然家の間の路地から子犬が飛び出してきて、私の右ひざに噛みついたのです。ズボンに穴が開いただけで、ケガをしたわけではないのですが、なぜ犬に噛みつかれたのか、その原因は何かということです。

 「この世には偶然はない。自分の身に起きた全てのことは教えであり、原因は自分にある(自業自得)」というのが、沖正弘先生の教えです。犬に噛みつかれた原因を一言で言えば、これも魚の毒なのです。魚の毒は、腰に来て、膝にも来るのです。毒の溜まっているところに、腫れ、凝り、痛みなど症状が出てくるのです。お年寄りで転んで腰を打撲するなどは、魚貝類をたくさん食べていた人です。病的な症状も、ケガをしてぶつけるのも、犬に噛まれるのも、毒のたまっているところなのです。

 逆に言えば、きれいな血液が流れている所には、症状は何もなく、ケガすることもなく、犬に噛みつかれる、などということはないのです。

 「この本の著者は、変なことを言っているな~」と思われるかもしれません。大部分の読者の皆様は、納得できないかもしれません。しかし、私は冗談で書いているわけではありません。このことをご理解いただくために、さらに色々な体験と事例をお話していきます。「この本はアホな本だから、もう読むのをやめた。」と、ここで放り出されないことを、願うばかりです。

 

6.足の小指のケガ

 これも、魚による私の体験です。今はなくなってしまいましたが、オーストラリアに沖ヨガの道場がありました。指導者の一人として、私も合宿セミナーに参加した時のことです。3日間程、外食して、魚を食べたのです。セミナーの受講生には、肉、魚、卵は良くないという話をしていて、自分は外で魚を食べていたのですから、いい加減なものです。

一緒に行っていた先輩の人が、肉が大好きで、玄米を食べない人でした。「國清さん、ちょっと行こうよ」と誘われるまま、外へ行って食べていました。先輩は、「オーストラリアビーフステーキ」を「うまいうまい」と食べていましたが、私は20年近くまったく肉を食べていませんから、とても食べる気になりません。大森先生の勉強をしてからは、出来るだけ魚も食べないように心がけているのですが、やむを得ない時は(時には喜んで)、魚を食べているのです。

さて、その後、道場の近くのハイキングコースを散歩することになりました。ブッシュウォーキングとかで、上がったり下がったり、かなりきついコースです。夏でしたから、汗だくになって歩いていると滝がありました。10人位の人が裸になって滝を浴びていたので、私も滝を浴びようと水の中に入りましたが、下が岩でツルツルすべるのです。そろそろと用心して、もう一歩で滝にあたるという所で右足がツルッと滑って、岩の壁にぶつけてしまったのです。「痛てて・・・」と右足を見た小指から血が滲んでいました。それを見ながら、「あ~やっぱり」と思いました。魚の毒は、腰、膝から足の小指に来るのです。

 読者の皆さん、ここでご自分の足の小指の爪を見てください。もし、小指の爪が他の爪よりも変形したり、汚くなっていたら、それは魚貝類の毒が原因なのです。小さな子供の足を見たら、小指の爪は小さくても、他と同じようにピンク色できれいです。ところが、年配で魚介類が好きな人は、程度の違いはあっても小指の爪が厚ぼったくなり、汚くなっているのです。10年間人の3倍も小魚とエビを食べた私の小指の爪は、ボコボコになっています。

 ブッシュウオーキングの前3日間、毎日大きな魚を食べたのですから、その毒は血液に入り、足の小指にたまってきていたのです。そこをぶつけるのは、必然なのです。ところで、なぜ出血したのか、陽性な魚の毒で腫れや痛みとなっても、出血は魚が原因ではありません。これは陰性な砂糖のせいです。実は、魚を食べた後に甘いアイスクリームを毎日食べていたのです。どこからのどんな出血でも、出血という症状は陰性なのです。

 

7.蚊に食われる話

 第三章をここまで読んでくださった読者の方には、タイトルを見ただけでどんな話か見当がつくかもしれませんね。そうです。蚊に食われるのも、血液の汚れなのです。正しい食べもので血液がきれいになったら、蚊に食われることもないのです。私の体験は、以下の通りです。

 高校卒業まで、私は北海道の北のほうで過ごしました。蚊の出る時期は夏の間で、1ヶ月くらいしかないのですが、その間に全身を蚊に食われていました。食われたところが、直径3~5センチにプクと赤く腫れあがり、硬くなって、なかなか治りません。治りきらないうちに、またその横を食われて、頭と顔も腕も、全身ボコボコに腫れあがっていたのです。これが、毎年夏の年中行事のような感じです。

 ところが、沖先生のヨガ道場に入所して、2年目頃でした。真夏の暑い時期に、断食をしていました。当時のヨガ道場はボロ道場で、エアコンなどありませんし、網戸もついていませんから、窓など開けっ放しで、雑魚寝していたのです。断食7日目頃、夜中に目が覚めて周りを見ると、道場のあちこちに蚊取り線香が焚かれていました。ふと自分の体を観察すると、一ヶ所も蚊に刺されていないのです。これは断食しているからに違いないと思い、翌朝10人ほどの断食中の人たちに、蚊に食われているかどうかを聞いてみたのです。断食23日目の人は、程度は違っても蚊に刺されていたのですが、1週間以上断食している人は、誰一人蚊に食われていないのです。中には、20日も断食している人がいて、「はア~、蚊がいるんですか?」という感じです。

 この40年間、まがりなりにも玄米菜食を心がけていますから、今も蚊に食われることはあっても、子供の頃のように、大きく腫れあがることはなくなりました。食事をまじめに実行している時には、さされても、チョッとかゆくなるだけですぐに治ります。きれいな血液は、蚊にとって餌にならないのです。蚊に食われるのも、犬に噛みつかれるのも、転んでケガをするのも、ウイルスに細胞を食いちぎられるのも、本質は同じことなのです。

 

8.豆腐ハンバーグの話

 この30年間、肉はほとんど食べていません。一口も食べていないと言いたいのですが、実は78年前に、ひき肉が少量まじった豆腐のハンバーグを食べて、とんでもない目にあった体験のお話です。

 出張中のことで、イタリアレストランで夕方に会合がありました。あまり飲めないビールを少し飲んで、食べられるものをつまんでいました。その時別な人が「豆腐のハンバーグちょうだい」と注文したのを聞いて、豆腐のハンバーグなら私も食べられると思い、「ぼくにもちょうだい」と注文したのです。いざ出てきたものを1口食べて、「アレー変だな」と思いました。豆腐のハンバーグといっても、ひき肉が少量入っていたのです。何となくわかったのですが、ビールで少し感覚が麻痺していたこともあり、まあいいやと思って食べてしまったのです(その頃、外食続きで、血液が汚れていたのも判断力を狂わせた)。

その夜、ホテルで泊り、朝起きた時です。フラフラと立ちくらみがするのです。そして、フロントの前で倒れてしまいました。気を失うほどではなくまた立ち上がってロビーの椅子に座ろうと思い、フラフラ歩いて、また倒れたのです。そこに石の置物があり、右眼の横あたりをゴチンとぶつけてしまいました。痛てーと思ってさわったら、腫れて血が滲んでいました。5分ほど、さてどうしたらよいかと思案してから、梅干を食べようと思いつきました(梅干はあらゆる毒を中和する)。エレベーターで和食レストランへ行きおかゆに梅干、みそ汁を半分くらい食べた時に、トイレに行きたくなりました。そして便が出たとたんに、フラフラがピタッと治り、気分もスーと治ってしまったのです。梅干と味噌汁の塩気で、腸の蠕動運動が活発になって、便が出たわけですが、前日夜に食べたものが、全部出てしまったように感じました。

20年以上肉食をしていないわけですから、私の体は肉類を受けつけなくなっていました。したがって、体は肉を異物ととらえて、早く排泄することに全力をあげたのです。通常、食べたものが便になって出るまでに、早くても24時間はかかります(便秘の人は3日以上かかる)。しかし、皆様も体験があるかと思いますが、もし腐ったものなどを食べた時は、その毒を速く出すために、吐いたり、下痢したりすることがあります。私の場合は、12時間で排泄されたのですが、肉の便を早く排泄するために(腸の働きを高めるために)、お腹に血液が集中して、頭の方へ流れる血液が足りなくなって、立ちくらみを起こしたのです。

 あらゆる症状は、その時に必要があって出てきます。症状は「悪」ではなく、「善」なのです。生命の働き、つまり自然治癒力があるから、症状が出てくるのです。その症状の意味を正しく受け止めることが大切なのですが、症状には不快感や苦痛が伴うために、悪いことと受け止めてしまいます。西洋医学と東洋医学の根本的な違い(病因観の違い)が、ここにあります。

森下敬一博士の著書「ガンは恐くない」の中で、森下先生は癌とは何かについて明快に説いておられます。現代医学では、癌腫が悪であり、これをやっつけなくてはならない、という考え方です。そして、薬や放射線で攻撃しまたは手術でとってしまえということになります。森下先生のお考えは、まったく逆です。癌腫は悪ではなく善だ、安全弁であり、浄血装置であり、必要があって癌腫ができた、その原因は血液の汚れだ、ということです。

 自分の身に生じた一つの症状を悪と見るか、善と見るかは、まったく逆です。つまりは、不運で病気になったのか、または偶然病気に襲われたのか、それとも過去の食生活の間違いなど、原因があって、当然な結果として、必要があって病気になったと受け止めるのかという問題です。滑って転んで、頭を石にぶつけました。コブが出来て痛いです。このコブが悪であり、痛みが悪でしょうか。コブは悪い奴だ、切ってとってしまえとは、誰も考えないでしょう。コブも痛みも原因があって、当然な結果として、必要があって出てきた症状です。命の働きとして、自然治癒力の働きとして、コブや痛みという症状を起こして、治してくれているのです。こんなことは、誰にでも理解できることのようですが、実はこれがなかなか難しいことと思います。

自分の身に生じたことは一切自分の過去の生活の集積であり(自業自得)当然な結果であり、善であり、感謝して受け止めることが全てにおいてできる人は悟ったような人です。現実には、不快な症状はいやであり、つらい思いはしたくないのです。原因は自分にあるとは思いたくないのであり、誰かにパッと治してほしいと願うのではないでしょうか。山の中で自然生活をしている動物には、医学も薬も栄養学もありません。異常になったら本能的に治る手段が身についています。生きているということは、治る力(自然治癒力)があるということです。だいたいにおいて、人間が人間の病気を治すことができるのでしょうか。

 ある先生が、「作りしものが治す」という話をしていました。車の故障は修理工場で治ります。家が壊れれば、大工さんに治してもらえます。ロボットが動かなくなったら、作った人には治せるでしょう。作った人なら、その故障を治すことが可能です。人間は人間が作ったわけではありません。

 さて、肉の毒素は身体のどこに影響するか、どこに蓄積するかというと、大体、身体の中間で、臓器なら心臓から肝臓辺りに来るのです。その点で比較すると、魚貝類は腰部で、臓器なら腎臓、泌尿器、生殖器にくるのです。

 フロントの前で2度目に倒れて、どこをぶつけたかというと右眼の横、こめかみのところですが、ここはまさに、肝臓に関連しているところなのです(目も肝臓)。魚を食べて足の小指をぶつけたように、ひき肉入り豆腐ハンバーグで、こめかみをぶつけることとなったのですが、この時にも、少し血が滲んだのです。ホテルに帰ってきて、夜寝る前にコーヒーを飲んで、さらにアイスクリームを食べてしまったのです。アイスクリームの砂糖が原因で出血となりました。肉、魚、卵など動物性のものを食べると、無意識のうちに反対の陰性なものを体は求めてきます。その代表が、アルコールと砂糖です。

なぜアルコールを欲するのか、または甘いものを欲するのかといえば、陽性な動物性食品を食べているからなのです。私の場合は、体質的にアルコールを処理できないため、子供の頃から甘党でした。日ごろ、玄米菜食を真面目にやっている時には、アイスクリームなど食べないのですが、外食して魚などを食べると、とたんに何かスーとしたアイスクリームが食べたくなってしまいます。従って、お酒の好きな人は、飲みすぎた時など、ケガをして出血することがあります。アルコールの陰性も、出血の原因となります。

 さて、読者の皆様、ご自身の足の親指を観察してみてください。親指が全体に腫れていたり、外反母趾といって親指の横が膨らんでいたり、親指の爪が汚くなっていたら、肝臓に負担がかかっていることを現しています。一般的には、肉、卵の過食です。肉の毒で痛風になったりしますが、その時痛むのは足の親指です。毎日食べた食べものが、消化吸収され、代謝していくその過程で発生してくる色々な老廃物を処理しているのは肝臓であり、尿として排泄するのは腎臓の働きです。「肝(かん)腎(じん)要(かなめ)」という表現のとおり、肝臓、腎臓は、体内の毒素の処理をしているのであり、悪いものを食べると、それだけ肝腎に負担がかってくることになります。

                  

                       以下、次号につづく


 
ページのトップへ 


copyright©2012 Salt-Free Club all rights reserved.

   


 

 

 

 

 

 

 

 

   
inserted by FC2 system