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無塩食講座第31講 


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無塩食講座 第31講 201210月25日アップ

 

「無塩食とは何か」概要

                                       

1.静岡県三島市で「無塩食排毒セミナー」を開始したのは、20088月ですから、まだ4年前のことです。私が健康法に興味を持って本を読み始めたのが19歳の頃です(現在、65歳)。約1年間、玄米食、ヨガ、断食等の本を数十冊読んだと思います。そして自宅で、自分一人で23日間の水断食を実行しました。それから40年間(60歳頃迄)、自分で実践し、かつ多くの人に勧めてきた「正しい食生活」の内容が、その基本が間違っていたかもしれないと今、思っているのです。

  もし私が40年間も、基本的な間違いを犯していたとするならば、私の恩師の先生方も間違っていたことになり、また私が40年間に読んだ健康法の本を書いた著者の方々も、間違っていたということになるのかもしれません。

  

2.19歳で水断食を体験してから、3年間、沖正弘先生のヨガ道場で学び、それから森下敬一先生の自然医学会・お茶の水クリニックに6年間在職しました。その後、東京府中で2年間、断食道場で水断食の指導をしていたのですが、水断食に色々な疑問が出てきました。そんな時に、大森英桜先生に出会い、大森先生の純正穀菜食を半断食というシステムで4年前まで指導しておりました。

私の恩師である沖先生、森下先生、大森先生の三先生が学び、体験してきた内容は、日本のみならず、世界中の健康法の原理原則が集約されたものと考えられるのです。そして、三先生の共通の師である桜沢如一先生が欧米に伝えたマクロビオティックが、日本に逆輸入されている現状です。

  つまりは、私が40年間も間違った内容を指導していたとするならば、同じような間違いをしている人達が世界中にたくさんいるということになるのです。各先生方に直接、間接に学んだ人達が世界にどれだけいるのかわかりませんが、今現在もその内容が人から人に伝えられていると思われます。

 

3.この4年間の無塩食セミナーにおける実績は無視できないのです。少なくとも、國清れい子の高血圧や、澤井香日子さんの腰痛その他が、無塩食の実践によって改善したという事実は、なぜなのかを検証しなくてはなりません。普通に塩分をとった純正穀菜食では、治らなかったのです。

  以前の理解、内容が全て間違っていたわけではないとしても、10年間治せなかった家内の高血圧が、わずか7日間の無塩食によって簡単に治って、現在に至っている事実を素直に受け止めなければなりません。そして、断食、半断食を通して、40年間に直接5000人以上の人達に勧めてきた内容に、欠陥があった、間違いがあった(かもしれない)なら、そのことを伝える責務が私にはあるのです。

 

 

 

4.40年間、錯覚していた、または間違っていたと思われる要点は、以下の通りです。

 ①多くの病気は、体内に不要な老廃物、すなわち毒素が蓄積して起こると考えました。そして、毒素は処理しきれなかったものが、だんだん蓄積してきたと思っていたのです。しかし、これは間違っていたと思います。

 

 ②人の身体は、全て代謝して、入れ替わっていくものと思っていました。つまりは、皮膚も血液も体細胞も、人間の身体は3年間位でほぼ代謝してしまう。骨まで入れ替わるには、もっと時間がかかるとしても、10年もたてば全て入れ替わると思っていたのです。しかし、これは間違っていたと思います。

 

 ③病気を治すのは、自分自身の内なる生命の働き(自然治癒力)であり、何を食べ、何を飲むべきかを、人に聞いてもわからない、考えてもわからない。本を読んでもわからない。正しい答えは生命に聞く以外にない。全ては自分自身の生命が教えてくれると信じていました。しかし、この考えは、修正しなくてはならないようです。生命が全てに答えるわけではないと思われるのです。

 

 ④塩分は生命維持に不可欠のミネラルである。純正穀菜食においては、動物性を一切使わないから、調味料としての塩分は要求するだけ摂ってもよい。肉、魚、卵、チーズなどの動物性食品に含まれている塩分は、分解、処理しきれないため、組織を硬化させ、高血圧の原因になったりする。しかし、菜食料理に使う味噌、醤油、塩等の調味料の塩分は、仮に摂りすぎても、代謝して汗や尿で排泄されるから、高血圧の原因とはならない。つまりは、純正穀菜食なら、調味料の塩分は気にしなくてもよいと考えていました。しかし、この考えは修正しなくてはならないと思います。

 

 ⑤一般的な玄米食(マクロビ食)の人達は、全体食、身土不身という原則のもとに、また陰性な物は良くないという思い込みから、ナス科の野菜(ナス、トマト、ジャガイモ、ピーマンなど)や、果物(主に冬の時期、また熱帯産果物)を避ける傾向が強い。逆に陽性が良いとして、根菜類、海藻(ヒジキ、昆布)、ゴマ塩、梅干し、たくあんなどを心がけてとる傾向がある。

  この傾向は、欧米のマクロビ関係者も同様のように思われます。しかし、この考えは、50年~80年前の食生活状況から発生しているのではないかと考えます。そうであれば、今も通用することなのか、疑問があると思われます。現実に悪化している人が少なくないと思います(基本的な法則、または原則と個人別の具体策を分けて考えないと間違う)。

 

 ⑥水分をガブガブ飲むのは邪食、過食のせいであり、正しい食生活(純正穀菜食)を実践していたら、日常、喉が渇かないのが正常だと思っていました。少食少飲が健康の秘訣だと思っていたのです。しかし、この考えは間違っていたと思います。

 

5.さて、この4年間の無塩食セミナーの中で、過去の疑問、錯覚、間違いなど、大切なことが次々と解明されてきたのです。

   しかし、私の理解、解釈が正しいかどうか、まだ疑問があるかもしれません。従って、私の無塩食理論の根幹となっている考え方は、今のところ、國清の独断的仮説ということになります。

  國清の独断的仮説(國清拡史の大発見?)とは、次の3つです。

 

① 毒は毒ではない。毒は必要があって蓄積されたのであり、処理しきれなくて体内に残った老廃物ではない。毒とは、いつ襲ってくるかわからない飢餓に備えて、栄養物(主に塩分を含んだ蛋白質)を未分解のまま吸収し、体内に蓄積したものである。従って、1年間の間に短い時は2、3日、長い時は10日以上、何度も飢餓に見舞われた過去の人類においては、毒はドンドン代謝していた。つまりは、備蓄栄養物として、生命を維持する上で必要不可欠のものであった。しかし、現代人においては、何十年も飢餓的状況など発生しない。毒は代謝する機会もなく、古くなるほど、硬化していくこととなった。

 

② 子どもや若い人は、将来の飢餓に備えて、栄養物を体内に蓄積する働きが強いのは当然である。しかし、その働きが老人も同じとは考えにくい。むしろ、流れが逆になると考えた方が納得できるし、事実に合致する。

  つまりは、成長期の子どもや若い人は、飢餓に備えて備蓄する働きが強い。しかし、成長期を過ぎると、溜まりすぎた備蓄栄養物が逆流してくる(溶け出してくる)。その溶け出してくる速度は、加齢と共に強くなる。

 

③ 子どもの頃に備蓄していた動物性の蛋白質(つまりは毒)が少しずつ分解して溶け出してくる。つまりは、動物性の毒が血液の中に溶け出してくるのであるから血液が濁り、粘るということになる。そして、血液の流れが悪化することになる。血液が濃くなって、循環が悪化しているのであるから、水分が必要である。水分を摂れば(ジュースでも、果物でも、野菜の水分でも良い)、血液の粘りが解消され、すぐに血液循環も良くなる。

  ところが、この時に喉が渇かないのである。水分を必要としているのに、喉が渇いて、水を飲みたいという要求が出ないのである。要求がないため、結果として水分をとらない事態となる。そして、最悪の場合は、心臓発作や肝性昏睡とか熱中症のような症状となって、死に至ることとなる。

  体内の毒が血液の中に溶け出してくる時の症状を、一般的に排毒症状(反応)と表現している。この排毒で血液が粘っても、喉が渇かない。これが大問題なのである。

 なぜ、喉が渇かないのか、この謎が解けたのは、まだ1年前のことなのです。

 

「体にとって、水分が必要なのに、喉が渇かないという現象がある」ということを確認したのが、5年程前のことなのです。それまでは、そのような現象があることをまったく知りませんでした。

もし必要なら、当然、喉が渇いて、無意識のうちに水分を飲んでいる、それが生命の働き、自然治癒力の働きであると思っていたのです。生命の働きは、必要なことをすべて丁度良く、対応してくれていると考えていたのです。

 しかし、それは間違っていたようです。考えてみれば、「生命の働きが、無意識のうちに、完全無欠な働きをしている」ならば、人間は病気で死ぬこともなく、事故で死ぬこともないことになってしまうのです。「すべてに的確に対応してくれている」ならば、全ての人は天寿を全うして、大往生しているはずなのです。

 「生命の働きは間違わない」としても、「生命の働きが、必要なこと全てに対応しているわけではない」のです。

 

 とにかく、排毒で血液が粘って、流れが悪化しても、必要な水分の要求が出てこないのです。それがなぜか、解けてしまえば簡単なことでした。「人類の歴史からみたら、そのような現象はごく最近のことであり、もともとは必要がなかった」、ただそれだけのことでした。

 

6.以上の独断的仮説を再度、整理しますと、

①人類の歴史は、大部分が飢餓の歴史であり、生命の働きは、いつ襲ってくるかわからない飢餓に備えて体内に必要な栄養物を備蓄した。

 

②その備蓄栄養物とは、主に塩分を含んだ蛋白質や脂肪であり、これを胃や腸である程度分解した段階で吸収し、体内に備蓄した。

 

③つまりは、今食べた食べ物のうち、生命を維持する上に必要なものは、完全に分解(消化)し、吸収し、すぐに使わなくてはならない。しかし、将来の飢餓に備えて備蓄するものは、すぐに使うわけではないから、完全に分解する必要がない。未分解のまま、備蓄しておいて、いざ飢餓となって、口から食べものが入ってこない事態となった時に、分解する方が効率がよかったと考えられる(たとえば、暖炉で燃やすマキを用意する時に、すぐに使うマキは、小さく割っておくが、備蓄しておく分は、ある程度の大きさにして、積んでおけばよい。必要な時に、マキ割りして使った方が効率がよい)。

 

④子どもや若い人(つまりは成長期において)は、ドンドン食べて、たくさん備蓄する働きが強い。しかし、成長期をすぎると、徐々に流れは逆になってくる。何十年も代謝することなく、蓄積していた栄養物(毒)が分解し、溶け出してくる。なぜ逆流してくるのか、それが生命維持にとって必要だからである。ためすぎていたものが、出てくるだけと思われる。

 

 

⑤この毒が分解し、血液の中に溶け出してきた時に、血液が粘り、流れが悪くなる。ところが、この時に、水分の要求が起きない。喉が渇かないのである。毒を中和するためには、野菜、果物でもよい。しかし、昔の人類においては、常に野菜、果物が手近にあるわけではない。常にあるのは水である。喉が渇いて、水を飲めば、血液の粘りがとれ、循環も良くなるはずである。しかし、喉が渇かないのである。

 

⑥喉が渇いて、水を飲むというのはどのような場合なのかを考えてみると、今食べたもの、または飲んだものに対してのバランス維持の働きを思われる。つまりは、今食べたものがちょっと悪くなっていたら、喉が渇いて、水分をガブガブ飲んで中和するわけです。日常、私達が喉が渇いて水を飲むのは、甘いもの、辛いもの、苦いもの、しょっぱいものなど、刺激の強いものを食べた時に、喉が渇くのです。

 

⑦今食べた食べものの刺激に対して、必要なら水分をとるという働きが備わっているのです。ところが、昔の毒が溶け出してきて、血液が粘っても、水分の要求がおきないのはなぜか?それは、もともと人類の歴史において、そのような事態はなかったからと考えます。ごく近年の現代人において、生じてきたことであり、生命の働きは、まだ対応する機能を獲得していないということです。

 

⑧もし、血液が汚れ、粘り、流れが悪化しつつある時に、的確に喉が渇いて水分を必要なだけ飲んでいれば、熱中症で死ぬ人はいないのです。熱中症だけでなく、脳出血や心臓発作で死ぬこともないと思われます。

 

⑨いろいろな老化現象は、今食べている食べものの影響以上に、若い頃に食べていた昔の毒が溶け出しているのです。つまりは、肉、魚、卵など、動物性の毒が血液の中に少しずつ出てきているのですから、実はそれを今、食べているのと同じことなのです。

 長年、玄米菜食を実践していて、「私は肉食をしていません」といっても、子どもの頃の肉の毒が溶け出していれば、「今、肉を食べている」のです。

 

⑩とにかく、この排毒時に、必要があっても、喉が渇かない、生命は的確に要求を出してくれない、ということが大問題なのです。昔の水断食の指導者が、断食中に飲みたくなくても、意識的に水を飲ませた。また、ゲルソン療法では、強制的に1日13回もジュースを飲ませているのは、一面において正しいのです。

 逆に言えば、「喉が渇かなければ、余計な水分を摂る必要はない。要求がないのに、水を飲む必要はない。生命が教えてくれる」と、私は40年間信じていたのですが、これは間違っていたようです。「生命に聞けば、すべて正しい答えが得られるわけではない」、ということです。

※年内休講として、再編集の期間とさせていただきます 

 

 今後の予定を、以下のように変更させていただくことになりました。ご了解ください。

 

①新無塩食講座として、今までの原稿を書き直す予定でしたが、この方針は中止することにしました(新しい原稿が以前の原稿と大きく変わるわけではないため)

 

30回分の無塩食講座の内容を再編成、再構成していくこととします。また目次をつけてわかりやすくしたいと思います。無塩食とは別の田村式の原稿などは、別な所に移動します。

 

③「ウイルスは恐くない」の全文を、「ウイルスは恐くない 全文公開」コーナーに掲載しますので、無塩食講座の重複した原稿は30回分から削除します。

 

④以上のような方針で、今までの原稿を再度整理したいと思いますので、年内はこの作業にあてたいと思います(したがって、新しい原稿は、当分ありません。というより、無塩食についての重要なことは、ほぼ書いていると思います)

 

⑤疑問、質問などがありましたら、掲示板に投稿してください。できる限りお答します。 


 
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