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無塩食講座第5講 


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無塩食講座 第5講 2012229日アップ

「間違っていた立ちくらみ対策」
 

1.20088月の第一回目の無塩食セミナー開始前に、100円ショップに買い物に行きました。探したのは、梅干しのタネを23個入れて、そのままポケットに入れておける小さな容器です。丁度、薬ケースで適当なものが見つかり、15個程買ってきたのです。

   セミナー開始の初日の夕食時に、このケースに梅干しのタネを2個ずつ入れて(普通の梅干しから種だけ取り出して、少しは身がついている程度のもの)、 全員に配りました。そして、「もし、入浴後とかに、立ちくらみがしたらすぐに梅干しの種をしゃぶってください。そうすれば、すぐに治ります。また、何となく気分が悪い、動悸がするなどの時も、美味しければしゃぶってください。とにかく、このケースを身につけて持っていてください。」

 

2.実際に15人程の参加者の中で、入浴後に立ちくらみがして(無塩食2日目頃)、梅干のタネをしゃぶった人が1人いたのです。昔の水断食の時も、断食初期の反応として、血圧が下がって、立ちくらみを起こすことがよくありました。これは、その後、穀菜食の少食半断食でも同じでした。特に入浴した時などに立ちくらみを起こすことが多かったのです。

   このような時は、暖かくして、塩気のある飲み物(梅生番茶、醤油番茶、味噌汁など)を飲むと、すぐに治りますし、それらの飲み物が美味しく感じるのです。

 

3.血圧が下がって、立ちくらみを起こした時は陽性な梅生番茶が美味しいですから、この症状は陰性な反応だと考えていました。無塩食をすると、それまでの半断食の時よりも、立ちくらみが出やすくなるのではと思っていたのです。

 

4.しかし、最初の頃は完全に無塩食の食事を出すのは2日間のみで3日目からは少量の塩分を含んだ料理を出していました(現在は34日の最後まで無塩食を希望する人は実行できるシステムになっています)。無塩の料理が何を食べても美味しくない人、塩分が欲しいと思う人には、24時間の無塩以後は、各自の判断で塩分をとってもよいシステムですから、実際に立ちくらみを起こす人はそんなに多くはなかったのです。

 

5.そのような状況で何回かのセミナーを体験するうちに、立ちくらみの症状がチョコチョコ出るのに、塩気のものはほしくない。ジュースの方がいいという人がいるのです。そして、ジュースを飲んだら、立ちくらみも治り、気分も良くなっているのです。人によっては、温めたリンゴジュースなどが美味しいのです。

   「その時、その人に必要な物は美味しく感じる」というのが、私の過去の体験から得た基本的な原則ですから、何か反応が出た人に対して、先ず「何か飲みたいものはないですか?」または「何が飲みたいかわからない」という場合は、具体的な飲み物をあげて、これはどうか、あれはどうかと聞いてみます。そうすると、「いや〜そんなものは飲みたくないです」とか「美味しそうにない」とか、何か返答が返ってきます。

 

6.ある時、何となく気分が悪い女性に「温めたリンゴジュースを飲んでみたら?」と勧めました。小さなお鍋にリンゴジュースを入れて、用意している彼女に「まだ飲んでいないけど、どんな感じがするか?」と聞いたところ、「美味しそうには思えない」というような返答でした。「味見して美味しくなかったら、無理に飲まなくていいから、とにかく試してみて」と言って、私はその場を離れました。休憩時間が終わって、彼女と顔を合わせ、「どうだった?」と聞いたら、「すごく美味しかった。気分もよくなりました」とのことだったのです。

彼女は今まで、冷たいリンゴジュースしか飲んだことがないのです。普通の時なら、健康な若い女性が温めたリンゴジュースの方が美味しいことは少ないと思います(老人で、身体が硬化している場合は温かい飲み物の方が緩めるので好む)。

  

 

7.このような過去30年間の半断食指導体験の中ではなかったことが、無塩食セミナーの中で起こってきたのです。すなわち、

 @炭酸水を用意し、それを美味しく感じる人が多い。

 A立ちくらみの時に、梅生番茶よりも、温かいリンゴジュースの方が美味  しい。

 B体重の減り方のスピードが、昔の水断食より早い。

 C突然、強い反応が出るような気がする。また、対応が正しければすぐに  治る。

以上のようなことを体験していましたが、それが何なのか、最初のうちはわかりませんでした。無塩食は効果があるけれども、対応を間違うと危険だということを感じていたのですが、何がどう違うのか、まだわかっていませんでした。

 
「水分不足と腰痛に関係が」

8.無塩食とは何かということと、これを実施する上での注意事項についての理解を深める上で、色々な皆さんの体験から学んできたのですが、その一人である澤井香日子さんのお話をしたいと思います。彼女は無塩食友の会の事務局の女性で、この原稿も彼女がパソコンで打ってくれています。体験談のページに本人が書いたレポートが掲載されていますので、まずそのレポートをお読みください。

   彼女の重症の腰痛(脊柱管狭窄症、ヘルニア、骨すべり症)が無塩食で治ったとか、花粉症が治ったとかは、本人にとっては重大なことです。しかし、彼女のレポートには書いていませんが、彼女の腰痛は、無塩食実施における大変重要なポイントを示唆してくれたのです。

 

9.5年前のことですから、まだ無塩食セミナーを開始していない時期です三島でのセミナーは45日で、穀菜食の少食半断食セミナーをやっていました。セミナー中に希望者を夜、近くの温泉にお連れしています。澤井香日子さんは風呂好き、サウナ好きで、 毎日、セミナー参加者と共に、温泉に行って時間のある限り、サウナに入っていました。

その日もかなり腰痛がひどかったようで、腰をかがめて歩いていました。ところが、温泉から帰る時に、彼女の腰痛が来た時よりも悪化している様子だったのです。「香日子さん、サウナに入る前より腰が曲がって痛そうに見えるけど?」。彼女は私の問いに、チョッと考えて「そうかもしれないさっきより痛いわ」というのです。サウナに入るとすっきりする、疲れが取れるという人が、腰の痛みが悪化しているとしたら、どうしてなのか?を私は考えました。

 

10.次の日の夜も同じように温泉に行きました。入浴前に次のような話をしていたのです。

  「サウナに入った後の方が腰痛がひどくなっているなら、その理由として考えられるのはサウナで大量の汗をかいて、血液が濃くなり、そのために全身の組織がギューと締まってきて、腰痛がひどくなっている可能性がある。それを確認するために、今日はサウナに入る前や、入っている途中で、水分を意識的にガブガブ飲みながら入ってみな」。

入浴後に、「昨日みたいに痛くならない」という言葉を聞いて、彼女の腰痛が水分不足により、血液が粘った時に悪化するようだというイメージが出来てきたのです。その後、このことを確認することが、何度も起こることとなりました。

 

11.彼女の腰痛が脊椎管狭窄症という難治腰痛であることが判明して、しばらくしてから「香日子さん、痛いからといって動かないのは原則として良くないよ。とにかく、痛くても散歩した方がいい」と勧めたのです。

 散歩することが、腰痛にどの程度効果があるか、全くわかりませんでしたが、他に思いつくことがなかったのです。彼女が腰痛を訴え、仕事にも支障が出るようになってから、腰痛を治すための色々な方法を一通りやっていたのです。それまでの私の知識や体験では、3年の間、何をやっても効果がなかったのです。

 

12.今年2012年の春で、散歩を始めてから5年になるのです。雨が降っている時以外はほとんど歩いているわけですから、年間300日以上、1時間〜1時間半位の散歩を続けているわけです。その彼女の散歩に、私も時々、付き合っているのですが、次のようなことがあるのです。

 

13. 腰痛の程度は、日によって、時間によって、色々変化するのですが、通常は起床時は痛みがあるようです。従って散歩の歩き始めは痛いらいしいのです。歩いている間に、痛みがス〜となくなるとのことです。ところが、「今日は痛いな〜、いつもより痛いよ〜」  とか、30分〜40分歩くと痛みがとれることが多いのに、「今日は全然治らない!」とか言うのですそんな時に、私が「香日子さん、水分は十分にとっているの?朝、水分とった?」と聞くと、「そう言えば、あまり飲んでいない」とのことです。「とにかく、水分が不足したら腰痛がひどくなるのは間違いないのだから意識的に飲まないとダメだ」。そして、散歩の途中で自動販売機の水やお茶を買って、ガブガブ飲ませるわけです。そうすると、早ければ10分後位に、ス〜と腰痛がなくなるのです。こんなことが、今までに10回位はあるのです。なぜ、このようなことが時々起こるのか?

 
「なぜ喉が渇かないか」

14.大部分の読者の皆様には、私が何を言おうとしているのか、もうひとつわからないかもしれません。これから、レポートでいくつかのケースでこの問題を説明していく予定です。何が問題なのか?「彼女の腰痛は、血液が濃くなり、粘ってきた時に悪化している。水分をドンドン飲むと、腰痛が軽くなっている。ところが、本人は喉が渇かないため、ついつい水分を飲むことを忘れてしまう。つまりは身体が水分を必要としているのだ。必要としているのに、なぜ喉が渇かないのか?」という疑問です。

 

15.私が半断食でのアドバイスをする際に、常に頭に入れていたことは、「生命に聞く」ということでした(これについては、「ウイルスは恐くない」の中に具体的な解説をしているので、ぜひ読んでください)。半断食で反応が出た時に、「何を食べるべきか。何を飲むべきか。それは、考えても分からない。本を読んでもわからない。人に聞いてもダメだ。正しいことは、自分自身の生命が教えてくれる。生命は間違わない」という沖先生の考えが根底にあったわけです。

   その原則からすれば、香日子さんの場合に、腰痛という症状に対して、水分が必要であることは何度も確認している。その必要な水分に対して、欲求がなぜ出ないのか。どうして、喉が渇かないのか。生命を守る、バランスを取る為に必要なことは、全て生命が教えてくれるはずである。さっさと喉が渇いて水分を飲めば、サウナで汗をかいて、また散歩で汗をかいて、腰痛が悪化することはないのである。それなのに、喉が渇かないのは生命の原則からみて、おかしいというのがこの5年間の疑問でした。このような香日子さんと同様の症状、反応が、無塩食セミナーの中で時々出ていることがわかってきました。要は、何かつらい症状が出た時に、美味しく感じる飲み物を飲めば、すぐに治るのです。これは、以前の半断食セミナーの時も同じだったのですが、無塩の時の方が強いように感じています。

 

16.近年、夏になると、テレビで連日のように報道されているのが熱中症です。テレビでお医者さんが熱中症を予防するために、「喉が渇く前に水分をとって下さい」ということを言っているのです。喉が渇いたら、誰でも飲んでいますから、「喉が渇いたら飲んで下さい」と注意する必要はありません。

 

17.喉が渇く前に水分をとる、というのは実際には難しいのです。いつ、何をどのくらい飲んだらよいのか全くわからないのですから、このような注意をしても、役に立っていないから、毎年多くの人が熱中症でなくなっているわけです。

     香日子さんの場合は、腰痛という明確な注意警報があるにもかかわらず、喉が渇いていないため忘れてしまうのです。いずれにしろ、香日子さんの腰痛も、無塩食による反応の多くも、熱中症の時も、水分を必要としているにもかかわらず、喉が渇かないのです。これはなぜなのか、これが大問題なのです。

 

18.大切なことなので再度整理をしますが、約5年前に香日子さんの腰痛から出てきた疑問「体が水分を必要としているにもかかわらず、なぜ喉が渇かないのか。生命即神という沖先生の根本法則から考えると、喉が渇くという生命の要求が起きるはずではないか?」

 

19.この疑問を考え続けていると、同じような問題はたくさんあることがわかってきました。というよりも、全ての病気や症状また事故も同じなのです。「もし、体にとってマイナスになる事態にあるならば、それを避けるために生命は予防的に的確な対応をとる」とするならば、病気にならないし、事故にもあわないはずなのです。

 

20.さて、5年間の疑問に対して、約半年程前に納得できる答え(まだ仮説ですが)を発見しました。その答えに到るまでには、香日子さん以外に何人かの体験があってのことでした。特に、ある男性が長期間の無塩食を実行し、結果として亡くなる事態となり、そのことが答えを見つけるキッカケになりました。

 

21.私が「無塩食友の会」を立ち上げ、このレポートを公開し、無塩食の実践から学んだことを(まだわからないことが多いとしても)、少しでも皆様に伝えたいと思ったのは、「なぜ喉が渇かないか」というこの疑問が解けてからなのです。

    そして、

 @無塩食実施上の最重要な注意点がわかってきた(これを知らないで無塩食をやってはいけない)。

 A無塩食の位置づけが明確になった(半断食との違い、水断食との違いなど)。

 B現在、日本と世界のマクロの食事をやっている人達の錯覚と、根本的問題点がわかってきた(好転反応という言葉でごまかさないこと)。

 Cその他、色々

 

今後のレポートで、この関連の説明を色々なケースでしていくことになりますが、とりあえず私の仮説の答の結論を簡単に書いておきます。

 

22.一般的に「喉が渇く」という症状は、今食べたもの、飲んだ物に対して起こる生命のバランス維持の働きであり、警戒信号であり、警報なのです。人類の歴史の大部分は、今手に入れた食べ物または飲み物が体にとって良いものかどうかは、飲食してみなくてはわからなかったのです。当然見ただけで腐っているとか、悪臭がするとか、口に入れなくてもわかる場合はあります。しかし、そうでなければ、とりあえず用心して口に入れてみます。その時に変であれば、吐きだすことになります。そして、水で口をゆすぐでしょう。

    口に入れても大丈夫だったら、飲み込むことになりますが、胃の中で変になってきたら、ゲーともどすかもしれません。そして、水を飲むのです。特に、変ではないが、 胃腸の粘膜に強い刺激を与える場合は、うすめるために水を飲むのです。

 

23.今食べた物が甘い、しょっぱい、辛い、苦い、酸っぱいなどの刺激が強すぎた場合や、少し腐りかかっていたというような時は、胃腸の粘膜が反応して、喉が渇いて水分を要求するのではないかということです。

しかし、断食でも半断食でも、無塩食でも、普通の玄米食でも、反応というのは今食べたもの、飲んだものではなく、体内に蓄積していた毒が血液の中に溶け出してくるわけです。この時には、喉が渇かないのです。つまりは、喉が渇くという体の反応は、口から入ってきた飲食物が体にとって負担になる、またはアンバランスの刺激が強すぎる時に、それを調整するために喉が渇き、水を飲むというシステムが長い人類の歴史の結果として、備わってきたわけです。

 

24.人類の歴史において、過食、飽食が何十年も続くなどということは、ごく最近のことなのです。頻繁に飢餓に襲われていた昔は、蓄積していた毒(備蓄物)が溶け出してきても、その結果、血液がドロドロになるなどということはなかったと考えられます。しかし、現代人の場合は、大量の毒が溶け出してくるわけで、それによって血液が粘って、流れが悪化しても、喉が渇くという反応は起きないのです。

 

25.とにかく、一口で言うと、今口から入ってきた毒に対しては、生体の防御システムが完備されている。しかし、体内に蓄積されていた毒が溶け出してきても、その毒に対する防御システムは完備されていないのです。

   それは、人類の歴史において、その必要性がなかったからなのです。

 

 以上の仮説で、色々な症状を考えると、今のところ納得がいくのです。

 

                                                 以下、次号につづく

  


                            

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