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無塩食講座第11講 


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無塩食講座 第11講 2012411日アップ 

「五十肩について」 

1.現在、オランダのラーレンという田舎町にある沖ヨガ道場に来ていますもう20年以上、ここで毎年行われる半断食セミナーのお手伝いをしています(3年前から無塩食セミナー)。そんなことで、今回のレポートは、いつもより短いですが、ご了承ください。

さて、ゲルソン療法については、まだ色々解説をしていく予定ですが、今回は話が変わります。

 

2.先日、知人の女性(50歳過ぎ?)から「右肩がとても痛くて辛い」という相談を受けて、生姜シップをやってみるように勧めました。生姜シップというのは、ガンの末期の痛みにもある程度効くと言われている手当法で、普通の凝り、痛みには大変効果があるのです(ただし、生姜シップをやってはいけない場合が3つあります。頭痛、火傷、及び出血からくる腹部の痛みなどの時はやりません)。

  さて、彼女に正しく生姜シップをやれば肩痛は半減するはずだと言ったのですが、報告メールによると、少しスーッとしたけれど、半減したという状況ではないとのことでした。そのメールを見て、事務局の澤井香日子さんが「五十肩じゃないの?私も五十肩になって、半年以上、むちゃくちゃ痛かったよ」というのです。

  忘れていましたが、10年以上前に、私自身も五十肩になって、腕が上がらない状態がしばらく続いたことがありました。しかし、私の場合は、腕を上げない限り痛くありませんでした。また、家内に五十肩があったかどうか聞いたところ、「記憶にない」とのことです。

  

3.一般的に五十肩とは、次のような特徴があるようです。

 @40歳後半から始まって、50歳代にピークになり、60歳代までみられる。

 A肩から腕にかけて痛む。左右の肩が同時になることは少ない。

 B腕の動きが制限され、上に上がらない。腕を外、内にひねるなどが制限  される。

 C個人差はあるが、6カ月〜1年で自然に治る。

 

4.この五十肩の場合に、生姜シップはあまり効かないのです。医学的にも原因不明であり、有効な治療法はありません。そこで、この五十肩とは一体何かということを検討してみたいと思います。

  まず、痛いということは、血液がスムーズに流れていないということです。血液が普通にきれいであれば、スムーズに流れて、痛みなど起きないはずなのです。従って、五十肩の時は血液が汚れていると思われます。血液が汚れる原因は大別して二つあります。。外からの原因(間違った食物など)、内からの原因(体内の毒が溶け出してきた場合)です。

  上記の彼女の場合は、長年マクロの食事を実践し、最近は時々無塩食をやっている人なのです。香日子さんも、私も五十肩になった時に、特に邪食をしたということではないようです。従って、外からの原因ではなくて、内からの原因によって血液が粘り、動きが悪くなって症状が出てきたと考えられるのです。

5.最初の方でお話したように、國清が無塩食に辿り着いた発想が「若い頃に蓄積していた毒が50歳前後から溶け出してくる」ということでした。五十肩の色々な症状がこの仮説とピタリと一致してくるのです。この「年齢に伴う排毒」は、過去10年〜30年間玄米菜食を真面目にやっていた人でも、起こることなのです。なんと言っても、子どもの頃に蓄積していたものが出てくるのですから、お母さんが妊娠前から正食をしていた人以外は、誰でも起こると考えています。

  五十肩の症状の特徴として、「ほおっておいても自然に治る」というのは、反応の特徴である「いつまでも続かない」ということと合致しています。また、じわじわと毒が溶け出してくるのですから、生姜シップを一度やったらスカッと治るわけもないのです。

 

6.さて、それでは毒がどこから溶け出しているかです。肩が痛いとしても、肩に蓄積していた毒が出ているということではないと考えます。これは全身に蓄積している陽性毒が出ていると思いますが、陽性毒は体の前ではなく、背中の方に蓄積していますから、その毒が溶け出して、血液が粘ってくると考えます。症状が肩とか肘とかに出るのは、単に関節部分は血管が締まって、細くなっていますから、そこで流れが悪くなるためと思われます。

  

7.さて、そうならばこの五十肩を早く治すにはどうしたらよいかです。この年齢からくる排毒を止めることはできないと思いますし、止めるべきでもないのです。むしろ、早くドンドン毒を出した方がいいはずです。

  要は、口から今食べていなくても、若い頃の動物性の毒が血液の中に溶け出してくるのですから、症状としては今食べているのと同様に、血液が悪化するのですから、その毒を中和してやる以外に基本的対策はありません。従って、具体的には

 @動物性の毒消しとなる野菜、果物で美味しい物、水分などをドンドンとる。ただし、温かい方が全身をゆるめるのでよいかもしれません。

 A代謝を促進するためにできるだけ体を動かす(毎日1時間位散歩する)

 B肝臓、腎臓にも負担がかかっているから、生姜シップなどをやるならば、毒消しの飲み物を飲んでから、肩と同時に腰、背中もやれば、ある程度の効果があるかも?

 

8.上記の彼女の右肩痛は、朝方の方がひどいそうです。症状が夜中から朝方強くなるのは、陽性な症状であり、右側に出るのも陽性ですから、どう考えても、若い頃の陽性毒が溶け出していると考えるしかないのです。五十肩の体験者の方で、何かよい方法を知っている方はぜひ教えてください。

【無塩食と他の食事療法との位置関係図】
20124月11日作成)

※この図は今後、修正されるかもしれませんが、参考としてみて下さい。

【解説】
@先ず、中央の円を、日本人にとっての正しい食生活の範囲と位置づけました。この中央円と交わっているのは、大森先生の正食のみです。つまりは、大森先生の正食から塩分過剰の問題を修正すれば、正しい位置になるということです。

A縦線から右側は少しでも動物性が入っているということですから、桜沢先生が60年前に世界に広めたマクロビ食は、小魚、貝類をとっていますから、縦線の右側に位置します。

B横線から下は、塩分量が必要量以下になっているだろうと仮定していますゲルソン療法は、動物性を少量でも入れているので、縦線の右になります。

C國清の無塩食、昔の水断食、お坊さんの100日間塩断ち行の三つは、一時的に行うものであり、日常的食生活ではありませんから、同じ図表に書くのは位置関係を理解してもらうためです。




 
「改めて、水の問題等」
 上記の原稿は、先週日本出発前に書いていましたが、この原稿はオランダから携帯メールで送信します。オランダ道場では、今FAXを、使わなくなり、無いのです。ですから長い原稿作成は無理なので、とりあえず要点のみお知らせします。
 第九講で、水の問題を、書いていますが、今回改めて水の違いを実感しています。硬水で育った野菜は、日本の軟水の野菜とかなり違うのです。ゲルソン博士は、当然硬水の野菜で、ゲルソン療法を組み立てたのです。それも約八十年前のことです。桜沢先生が、六十年前に日本の玄米食を、そのままヨーロッパに伝えました。生命にとって水は基本的なものですから、硬水と軟水の違いを考慮せずに、伝えたことが、問題点として、出てきています。同じように、ヨーロッパで、アメリカで完成したゲルソン療法を、そのまま日本で、やっても、同じようにならないと思います。なぜ水の違いを、多くの指導者が、その生理的影響を正しく認識できなかったのか不思議です。とにかく軟水より、硬水の方が、陽性ですから、硬水の野菜は無塩にしても、軟水野菜ほど陰性にならないのです。もしかしたら、日本でゲルソン療法をそのまま完全に実行したら、危険ではないかと危惧しています。日本のゲルソン療法指導者が、水の違いから来る野菜の違いについて、正しく認識していることは、なさそうです。この問題は、又探究していきます。
 さて今回のオランダセミナーの参加者は、全員女性でした。三十代から六十代です。オランダセミナーで昔から感じていたことですが、こちらでは精神的悩みを抱えている人が、多いようです。うつ状態が、定期的?に来るとかです。日本でも増えているかと思います。女性の場合は、閉経前後に、症状が出やすいとかはないでしょうか?四十代から排毒が、始まり血液が粘り動きが悪くなった時に、うつ状態になりやすいのです。うつ状態を陰性と間違っていることが、少なからずありますが、これは陽性です。とにかく排毒による血液の粘りに対して、喉の渇きがないため、なかなか症状の改善が進まないわけです。なぜなら、年齢に伴う排毒は、ずっと続くからです。この問題も今後の検討事項です。


                                    以下、次号につづく

                            

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