田村式産児法 本文へジャンプ
 NO.3 5/16up
 NO.2 5/9up
 NO.1 5/2up
おしらせ

※疑問、質問、ご意見など、何でも掲示板へお寄せ下さい
只今、國清拡史の「無塩食講演会」(1時間〜3時間)を承っております。お申し込み、 お問い合わせは「無塩食友の会」事務局までお願いいたします(メールはこちら


2012516日アップ

田村式計画産児法 第3講 2012516日アップ 

              まとめ

 

1.田村式を懐妊法として活用する場合には、どうするかを國清の理解で整理してみます。まず、用語の確認です。

 

@ 基本月経周期→田村先生の統計から割り出された月経周期。健康な女性であれば、通常は実際の月経周期と一致する。月経開始日から排卵までの期間(6日間の排卵期)は一定であるが(第14講のAの期間)、排卵から次の月経開始までの期間は(第14講のBの期間)、病気、過労、その他で伸びたりする。

  この基本月経周期は、妊娠するまで変わらない。田村先生の統計では、全体の81%の女性は27日〜30日で、94%は24日〜31日の周期となっています。つまりは、32日以上の人は100%中6人位しかいないということです。

 

A 排卵自覚→田村先生の統計では、一般的に排卵を自覚している女性は20%で、80%の人はわからないとのことです。しかし、田村式によって排卵自覚予定日を計算し、「今日か明日位に排卵がある筈として注意していると、80%の女性が自覚できるとのことです」(排卵自覚の具体的症状については、第15講参照)

 

2.田村式を懐妊法として活用するステップ

@ 基本月経周期が何日型かの見当をつける

まず、基本月経周期が何日型かの見当をつける必要があります。

イ)実際の月経周期がほぼ一定している、ほとんど狂わないという女性はその実際の周期が基本周期と考えてよいと思います。

 ロ)次に、大体は28日周期だが、何かあった時(心身の過労など)に、23日遅れることがあるという場合も、基本周期は28日型と考えてよいと思います。

ハ)次に、実際の周期がバラバラで(27日のことも、40日以上になることも色々ある)全くあてにならないという場合は、32日以上は体調不良で遅れているとみて、一番短かった場合の日数をとりあえず基本周期と考えておきます。

 

A排卵自覚予定日を計算する

@でとりあえず見当をつけた基本周期が28日型になったとします。そして、今は夏で天気の良い日が続いていたとします。このような条件なら6日間の排卵期のうち、一番早い第一排卵日が排卵自覚予定日となります(気候と排卵の変化については第15講を参照)

第一排卵日は基本周期から16日を引いた数になりますから、28−16=12です。月経開始日から数えて12日目が排卵自覚予定日となります。しかし、前後に1日ずつ足して、排卵自覚予定期間を一応3日間とします。(16という数字は田村先生の統計から出てきただけですから、なぜ16なんだということではありません。基本周期マイナス16が第一排卵日だったわけです)。

 

B排卵を自覚する。

  田村先生の統計では、注意していると80%の人が排卵を自覚できるとのことですから、上記の自覚予定期間を注意して、排卵が自覚できるかどうかを試みることにします。1カ月ではうまくいかないとしても、3、4カ月間、つまり、3、4回、試みてみれば、大体分かる可能性が高いということです。

 

C基本周期を確定する

数ヵ月から半年かけて、何度か排卵を自覚できた場合は、月経開始日から計算して、基本月経周期がほぼ確定できることになります。そして、基本周期が28日型となれば、例えば6月で雨の日が3分の1位の場合は、第三排卵日〜第四排卵日と予想されますから、月経開始日から14日目から15日目が排卵自覚予定日です(この部分がよくわからない人は、第15講参照)

 

D受胎可能日

田村先生の統計では、妊娠する可能性が一番高いのは、排卵自覚予定日の前、2、3日前です。ですから、排卵が自覚できた女性の場合は、妊娠するためには、季節と天気を考慮して、排卵自覚予定日の2日前、または3日前に夫婦関係を持てばよいということになります。

 

E排卵が自覚できない場合

排卵の自覚がわからない、または何でもよいから早く妊娠したいという場合は、@の基本周期を正しいと仮定して、季節と天気を考慮して、排卵予定日を計算し、その前2日間に試みることで良いわけです。

 

3.健康な夫婦であれば、妊娠するためには、以上のことだけで十分と思われます。田村式を避妊に活用したいという場合は、月経開始から排卵自覚日までは避妊した方が安全です。田村先生の統計では昼間に排卵自覚があった場合は、その日の夜から次の月経開始まで妊娠したケースがないとのことです。

  排卵の自覚ができない、分からないという人で、周期も不順で長い場合は、安全に考えたら、月経開始日から27日まで避妊した方が良いということになります(田村先生の統計では、月経開始日から排卵自覚日までの期間が27日を越える場合はなかったとのことです)

 しかし、避妊するためには、もっと確実な方法を併用した方がよいことは田村式でも荻野式でも同様です。

 

4.さて、田村先生の統計では、2回排卵の女性が10%位いるとのことです。つまりは、実際の月経周期内に2回の排卵があり、この場合は、排卵自覚も2度あるとのことです。

  2回のうち、後の排卵は1回排卵性と同じで、今まで解説した6日間の排卵期にあって、もう1回の排卵はその前にあるとのことです。

  以下は、田村先生の本「田村式計画産児法」から抜粋

 「2回排卵の内の始めの排卵自覚日は、私の現在までの調査では基本排卵日の手前8日間のどこかであって予定はできない」

 「2回排卵性は父母のどちらかにあっても、遺伝するようである」

  田村先生を専門的立場から長年指導された東大医学部の加藤一男博士が

 「田村式計画産児法」の序文の中で

 「ここに御注意申し上げる事は、本書の中のいわゆる排卵自覚日というのは、如何様に表現されていても実際の排卵時刻あるいは排卵日とは限らない事です。従って、一回排卵性、二回排卵性といっても、これはいわゆる排卵の自覚症状が一回或いは二回あったという事になります。誤解のないように。しかしながら排卵の自覚日と実際の排卵の時刻とは何等かの関係があろうとは推定されます。」

 

5.國清の印象としては、2回排卵性というのはどうもピンとこないのです。本当に2度の排卵が毎月、定期的に起こっているのか疑問があるのです。

  排卵誘発剤とかの薬物で、卵子が一度に多数排出されるわけですから、健康状態によって期間内に排卵が2回あったとしても、それは本来的には正常な状態ではないと考えます。

  また、田村先生が2回排卵性は遺伝するようだとの見解ですが、これについても疑問です。2回の排卵が異常と仮定するならば、これは遺伝というよりも、体質的傾向が親(母親)に似てくるということと思います。基本的には、食生活の内容と2回排卵性が関連しているのではないかと、想像しているわけです。つまりは、日常の食生活が間違っていると、本来は1回の排卵が2回になったりすることがあるのではないかと思われます。

 

6.次に、田村先生の調査では、「産後、授乳中に一度も月経なしに妊娠した例が約5%あった」とのことです。加藤一男博士は「初潮の前に排卵はなく、出産後授乳中の第一回目も大部分は月経が先である」とのことです。5%であっても、月経がないままで、授乳中に妊娠しているということは、排卵の前に必ず月経があるとは断定できないわけです。

 

7.世界の常識となっている荻野学説より田村学説の方が正しいと思いますが、その田村式においてもよくわからない疑問点がいくつかあるのです。人間の身体のことは、まだまだ未知なことばかりで、本当のことはわかっていないのかと思います。

  そのようなわけで、田村式を避妊法として活用するのではなく、あくまでも妊娠するための参考としていただいたらと考えます。

  原則として、月経があれば排卵があるのですから、精子が正常であれば受胎するわけです。しかし、受精卵が子宮に着床し、妊娠するためには子宮粘膜にきれいな血液が十分に流れていなくてはだめですから、やはり日常の食生活を正すことが大切かと思います。

  森下敬一博士の著書に「生まれてからでは遅すぎる」という本がありますが、異常妊娠、異常出産で異常児が生まれている現実から見ると、「妊娠してからでは遅すぎる」わけです。

  特に、加齢と共に子どもの頃に蓄積していた毒が溶け出してくるということに、気がついてからは、妊娠、出産年齢ということについて、再認識せざるを得ません。以前は正しい食生活を1年から3年も続けたら、きれいな血液で健康で正常な赤ちゃんが産まれると思っていました。しかしもし、30歳前後から徐々に古い毒が溶け出してくるとなれば、日常の口から入れている食物が正しくても、血液の中には古い毒が溶け出しているわけですから、その毒が当然ながら胎児の方にも移動していくととなります。

  つまりは、高齢出産ほど、赤ちゃんへ移動する毒(おもに動物性の陽性毒)が多いと考えられるのです。そうなると、妊娠前に正しい食生活をしていたとしても、年齢によっては、あまりその効果がないということもあり得ると思われます。よく考えてみれば、30歳で子どもを産む女性が、妊娠前の1年間は正食を実行していました。しかし、それ以前29年間は邪食を続けていたとすれば、赤ちゃんに29年間の間違った食事が一切影響しないという都合のよいことはないと思われるのです。

  田村式の紹介は今回で終わりです。もしわからない点があれば、ご質問ください。



                              

                        
ページのトップへ 


copyright©2012 Salt-Free Club all rights reserved.

   



   
inserted by FC2 system